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何とも滋味深い趣に富んだ舞台となった。 オープニングから静かなインパクトが来る。 長塚圭史が毎年のようにやっているパルコ劇場での公演は 毎回、刺激的な実験に満ちあふれている。 ロンドンの留学から戻って来てその才気が さらに先鋭化して来たのではと感じている。 昨年の「SISTER」はとてもインパクトのある作品となった。 それと比較するとこの「ハーパー・リーガン」は一見地味に見えるかもしれない。 しかし、その底に流れるものは激しい。 人生の諦観とともに40歳過ぎまで生きて来た魅力的な ハーパー・リーガンの女としての様々な役割がここで問われる。 妻として会社員の事務員として娘を持つ母親として、 そしてマンチェスターに親を持つ娘として、そして一人の女として、 年下の男の子を弄ぶ女性として。 セクシュアルな感じがまったくないと思われる 小林聡美がその役に挑んでいることがまたいい。 チャーミングな小林聡美の新たな魅力があぶりだされる。 以前、大林宣彦監督の16ミリモノクロ作品「廃市」の時の小林聡美を思い出す。 静かななかにも奥底に湛えられた情念みたいなものが ほのかなエロスとして立ち上ってくる。 そんな小林聡美をこの映画作品以外に知らない。 そういう意味ではこの映画も貴重な作品。 阪本善尚カメラマンの美しい映像がそれに華を添えた。 大きな壁の前にたたずむ小林聡美。 彼女が舞台前方へと歩み出すと背景の壁も同時に前へ移動してくる。 それがオープニング。 大きな壁の四面体が回転していくつかのシチュエーションを作っていく。 基本的にワン・シチュエーションに二人か三人の俳優たちが登場して会話をする。 話者の距離は適度に離れており。 背景のシンプルな壁の広さがその距離感を強調する。 見ていてはじめ、これはイプセンの「人形の家」のロンドン現代版か?とも思った。 でも、これは女性が独立してフェミニズムの先駆けになる! というようなヒロイン像ではない。 これこそが現在的というものなのだろうか。 ハーパー・リーガンの父の死によって彼女は解放されたのか? 愛してやまなかった人がこの世からいなくなることによって 逆に解放されるというような話を聞いたことがある。 無意識の意識下に親の束縛から逃れられないという感覚があるのか? 会社の上司役の大河内浩、娘役の美波、夫役の山﨑一、母親役の木野花、 パブで出会う、ジャーナリストの福田転球、年下の青年役の間宮祥太朗、 そして、二役の山﨑一が出会い系サイトで知り合った男の二役を演じる。 この人たちと小林聡美演じるハーパーとの会話でこの舞台は成立する。 その会話と距離感と場面転換時のヴィジュアルと音楽が素晴らしい。 伊賀大介の衣装もいい。 小林のオリーブ色の薄手のワンピースと辛子色のカーデガン、 そしてエンジともパープルとも思えるタイツにパンプス姿。 背景の壁が単色なのでとても美しく映えた。 欲を言えばスズナリくらいの小さな小屋でロングラン公演をやってくれれば もっといいのにと思った。それだけ濃密な舞台ということである。 東京公演は終わり、29日に水戸、10月2,3に大阪公演がある。
by haruharuyama
| 2010-09-27 09:15
| 舞台
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