東西線「九段下」の改札を出ると、人で溢れていた。
誰かのコンサートか?いや、国士舘大学の入学式か?
と思いつつ、靖国通りに出ると、そこは人人人。
花見に来た人で、靖国通りの舗道や、歩道橋が大渋滞していた。
僕たちは、その迫力に気おされながら、
人の少ない方へ歩き出すこととなった。
この時期どこか咲いているところはあるだろう。
ゆっくりと北の方へ向かう。靖国神社正門を左に見ながら、
早稲田通りを飯田橋方向に向かう。
暁星高校を過ぎると、富士見幼稚園の桜に遭遇。
校庭に咲いた満開の桜。幼稚園は人気がなく、
もちろん校庭には誰もいない。妻は、そこの写真を撮る。
僕たち夫婦は、毎年お花見に行っている。
つきあい始めてからだから、もう20年以上経つだろうか?
最初は神戸夙川―苦楽園の花見や、
京都銀閣寺―哲学の道―清水寺の花見から始まった。
そして、上京し、高円寺に住む。
大宮八幡宮と和田堀公園―善福寺川の桜を毎年見るようになり。
市川市に移り住んでからは、毎年違う場所で花見をすることになる。
花見といっても、お弁当を作って、そこで食べるだけ。
大体30分くらいで食べ終わる。
その後は、お茶を飲みながら新聞でも読んでいる。
そんな花見である。
結婚記念日やお互いの誕生日には特に何もしないのだが、
この習慣だけは唯一続いている。
弁当のおかずは妻が作る。
普段は、ほとんどの食事を僕が作るのだが例外的に、
この花見のお弁当と、餃子は妻が作ることになっている。
弁当のおかずも大体決まっている。毎年同じメニュー。
牛肉のしぐれ煮とスタッフドエッグ、
鮭の塩焼き、タコウインナー。それとおにぎり。
東京警察病院の手前を右へ行くと、大東京神宮に至る。
その手前に千代田区富士見出張所がある。
ここに二本の桜が咲いていた。
出張所の前が広くなっていて、ベンチが数脚ある。
歩きつかれた僕たちは、ここのベンチに座ってお弁当を食べる。
桜の花びらが落ちてくるのではなく、
何故か、花弁がガクと一緒にクルクルと回って落ちてくる。
お弁当箱にその花弁を詰める。桜弁当が出来上がる。
富士見出張所の洗面所をお借りした後、
だらだらと大神宮通りを下り、九段会館を通って、北の丸公園へ。
北の丸公園の桜は華やかである。
大きな石垣との対比がいい。
公園内を通過して、東京国立近代美術館に至る。
そして、皇居を望むお堀端に至る。
ここが竹橋駅である。