鈴木勝秀オリジナル脚本作品。男くさい舞台が出来あがった。
というのも出演者が男性ばかり5人の舞台。
その男優陣の面々が凄い!
田口トモロヲ、鈴木浩介、粟根まこと、山岸門人、伊藤ヨタロウ。
癖のあるものばかり。それが独特のトーンを作った。
女性ファンが多いのだろう。やや年配の女性の観客が多かった。
円形の舞台は真っ黒でマットなフォイルで包まれている。
舞台の上には白くて透明なビニールの袋が多数置かれている。
中にヘリウムが入っているのだろう。
重力がほとんどないような状態で少しの風があったりすると
ふわふわと浮いてしまう。
開演前、客席に飛び出してくるそれらの袋を、
鈴木勝秀が舞台の中に戻す。
それらは明らかにクラウドをモチーフにしたもの。
クラウドと言っても雲ではなく、クラウドコンピューティングのこと。
サーバーも含めあちら側に全てのデータが保管される。
ということは、管理者、保管者はそのデータをいじることが出来
、閲覧することが出来る。
そうならないのは信頼関係だけに過ぎなく、
悪意があれば先日のソニーのオンラインゲーム会員のデータを
ハッキングされたりする例があるように
情報流出は即時に起こることになる。
ソニーのハッキングをしたハッカーを
フェイスブックが雇い入れたという記事を聴くと複雑な思いになる。
クラウドコンピューティングの光と影。
本作は近未来SFとでもいうようなものなのだろうか?
一人でパソコンに向かい、誰もいなくなった公団住宅に一人残って暮らしている男がいる。
田口トモロヲ演じるそれは、お宅ではなく普通の男のようにも見える。
メガネ姿がいい。映画「あぜ道のダンディ」でもいい役を演じてくれたが
50代前半まで生きて来た男の風格みたいなものがある。
そして、身体の動きの激しさとのギャップに驚いた。
身体を痙攣させて震わせるシーンがあるのだが、
その激しい動きに驚いた。
舞台でそれを見ることが出来てとてもラッキー。
田口トモロヲはそこでコンピューターいやクラウドに向かって
自らのライフログを記している。一種自叙伝のようなもの?
過去の記憶をたどりながら自分のことについてクラウドに残す作業をしている。
クラウドにそれがある限り自分がいなくなっても永遠にそれは、
あちらの世界に残り続けるという。
それは今ここで書いているブログも同じことだろう。
ログとはコンピューターへ記録するということ。
そしてデジタルデータは一瞬にしてコピー出来てしまう。
その暗喩として鈴木浩介が登場する。
田口のライフログを読むと鈴木はこれはまさしく自分の人生であると。
この複雑な構造に客観的な第三者が登場する。
粟根まこと演じる巡査長の刑事と山岸門人演じるその部下。
彼ら二人の掛け合いがいい。山岸門人は発見!
「鹿殺し」に出ていたときには印象に残らなかったのに。
その刑事二人は、田口トモロヲのところに出かけていき
聞き込みをしたりする。その後、混迷を極める展開となる。
様々なシーンの断章だけが呈示されるような
ネットサーフィンをしているように場面が次々と変わっていく。
そのイメージをポーンと投げだされて舞台は終幕を迎える。
田口の熱演と鈴木勝秀のフィリップKディックに対する愛が詰まった舞台。
クラウドは男くさい演劇の「ブレードランナー」になりえたか?
劇中の音楽の選曲がいい。
7月3日まで。
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