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エドワード・オルビー作。添田園子翻訳。鵜山仁演出。 何ともふざけた話だった。 このふざけた話をきちんと2時間近く持続させるのには工夫がいる。 もちろん俳優の力がいかんなく発揮されていたからというのが大前提にある。 そして、間の取り方、リアクションの仕方など 様々な工夫が凝らされていた。 この話は飄逸な落語の噺にも似ている。 ありえない、とぼけた話をさも本当にあったことのように語る。 落語は噺家一人でそれをやる。 喋りだけなので、見ている方は想像力を駆使しながら そのとぼけた噺を思いうかべることができる。 演劇の場合の難しいところは、観客の想像だけではない、 俳優の身体がそこにあるということ。 リアリティがそこにあるので、どうしても、このような破天荒な設定は 難易度が高くなる。 アトリエの会ではその難しいことに敢えて挑戦し、場内の爆笑を獲得した。 チラシの裏にこうある。 1%の非常識が私たちの世界を制御不能な物語へと変貌させる― 鬼才エドワード・オルビーによる「寛容の限界」をゆるがす問題作。 と。彼は1928年生まれ。 ということは、80歳を過ぎている。 そんな御年の方が、こうしたアバンギャルドな世界を描く。 実は、ここまでの年齢に達したから 獲得した自由さみたいなものがあるのかも知れないな、とも思った。 彼の作品だと、 以前「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」(@ベニサン・ピット)を見た。 TPTの作品。 それもアバンギャルドなものだった。 年齢など関係がなくその個人によって表現形式は決定され、 それが年齢を経ても変化しない、という作家がいるのも当然と言えば当然。 別役実などとも似た、シュールな世界観がそこにある。 シュールレアリズムといえば、ダリ。 サルバトール・ダリは1904年生まれ。 彼の個展を見たが、生涯ふざけた人だった。(これは、ものすごいほめ言葉である。) 今村俊一演じる建築家は建築界のノーベル賞「プリツカー賞」を受賞し、 さらに米国の広大な都市開発を2兆ドル!の予算をつけてまかせられた。 世間的にみて、まったく不自由ない立場の方である。 妻である、富沢亜古と結婚してから、浮気をしたことがなく、 子宝にも恵まれ(一人息子=采澤靖起)た。 その、彼が田舎に移住しようと方々を車で回っており、 60マイルほど離れた田舎の丘の上である出会いをする。 丘の上の秋、木々は紅葉し、様々な自然のにおいがする。 風が吹き、とても気持ちのいい場所。そこで彼は恋に落ちた。 結婚して50歳の誕生日を迎える直前だった。 その名はシルビア。メス山羊である。 彼は、この秘密を友人でありビデオジャーナリストである若松泰弘に告げる。 彼は、驚き、それを今村の妻に。 そこから夫婦の会話が延々と続く。 この非常識とも思える会話にリアリティを持たせることが出来るのか? ということがこの舞台の重要なポイント。 リアリティがあればあるほど、おかしみが込みあげてくる。 証拠にこの舞台は観客席がコの字になっており、 上演中、ほかの観客の表情が感じられる。 何人もの観客がおかしみをこらえて、にやにやと笑っている。 多分、自分もそうだったろう。 そんな舞台である。 彼らの会話を通じて、ノーマルであるとは実はどういうことなのか? ということを考えさせられる。 家畜を愛してファックまでしてしまうことは? 近親姦は? そして、彼の息子はゲイである。同姓愛は? 様々な性愛のカタチを呈示し、何がノーマルなのか? そんなものはあるのか? ということをつきつけられる。 キリスト教についてのタブーみたいなところまで戯曲は描く。 ある種、不謹慎と言われかねないようなことまで。 その極端な展開を想像し、自分事にすることによって ノーマルという基準がどんどんとずれていくのだ。 放射能の安全と思われる値がどんどん増えていき、 ここまでなら大丈夫と基準が変わっていっているのと 同じような変化がこの舞台でも起きる。 そのとき人間の感覚はどのよう変化してくのか? を考えさせられる舞台である。 笑っていたら、ものすごく考えさせられた。そんな舞台。 7月30日まで。
by haruharuyama
| 2011-07-18 07:23
| 舞台
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