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震災後のこの国を考える、というような新聞記事の特集で この本が紹介されていた。 山折哲雄はお坊さんで宗教学者。 東北大学のインド哲学専攻。 実家が浄土真宗のお寺だった。 その山折さんが「死」ということについて 様々な観点から若い人に向けて語ったのが本書である。 本書はポプラ社の「シリーズ、未来のおとなへ語る」というシリーズ。 岩波少年文庫とか最近のシリーズで言うと 「よりみちパンセ」シリーズなどがこれにあたるのだろう。 小学校高学年から中学生くらいに向けて書かれたもの。 こういったシリーズに意外と良書が多い。 ある種、経験を重ねた人が次世代にきちんと伝えて行くために 懸命にわかりやすい言葉で むつかしいことを語ろうとした努力が形になっているからだろう。 司馬遼太郎の教科書への書き下ろし 「21世紀にいきる君たちへ」 などはまさに珠玉の言葉が詰まっていた。 司馬遼太郎記念館であの文章を読まなかったら、 司馬遼太郎への興味は一般常識的なものにとどまっていたのかもしれない。 さて、本書は「死」という 人間が生まれてきたからには100%の方が経験する 普遍的なことについて語っている。 「死」というものが目の前から隔離され、 いまわしいものとして子供たちの目につかないところにおいやられる。 死へむかうにおいの変化や死体そのものを目の当たりにする機会が 本当に少なくなっている。 山折さんは、「死」がいまも目の前のものとして 残っているのがインドであるとおっしゃる。 あそこでは死は等価に扱われ、死を迎えると平等に自然に還る。 しかしながら、そうした国なのに 「カースト制度」 という階級制度が存在するというのが興味深い。 平等と格差が同時に存在する社会。 「死」に触れる経験が少ないと「死」について考えることもしなくなる。 解剖学者の養老孟志先生も語っていた。 中世くらいまでは街中に死体がごろごろと転がっていた。 それほど「死」は身近にあるもので、死体から蛆が湧き 腐っていきやがて土に還っていくのをその当時の人々は 目の当たりにしていた。 そういった体験がないからこそ「死」を軽く扱ってしまうのかも? と何かのテレビ番組でおっしゃっていた。 しかし、死が眼前にある光景はある瞬間に突然起きるということを、 わたしたちは、今年の3月11日の大災害で再認識してしまった。 いつ起こるかわからない無常のこと。 日本人はこの無常感を歴史的に淡々と受け入れてきているという事実がある、 ということを山折さんは語る。 キリスト教は青春の宗教であり、 仏教はブッダが80歳まで生きたことなどを考えても 成熟した高齢者にも向けた宗教であるという説明が面白かった。 ちなみにキリストは30歳!で死んでいる! また人は「ひとり」で死ぬものなので、 「ひとり」でいるということの大切さを認識しようという言葉があった。 イチローは「ひとり」でも決して孤独ではない。 相対的に自分の関係を規定しなくなればそれは成就する。 そのことを受け入れ生きること。 こうしたことが悟りなどというような言葉に置き換えられるのだろうか? ぶれない強さみたいなものを持って「死」に向き合おうということである。 そのためには「死」について考え続けなければならない。 「死」の2年前くらいに書かれた宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の詩の話が面白かった。 この詩にはプロローグとエピローグの言葉があった。 それは、「南無妙法蓮華経」だったと。 しかし教科書にはこの部分は掲載されていない。 僕自身も今の今まで知らなかった。 先日、井上ひさしの「この人から受け継ぐもの」(@岩波書店)を 読んで書かれていたことを思い出した。 宮沢賢治が日蓮宗を志向したと。 このことを山折さんがどういう意味で書かれたのかが知りたくなった。
by haruharuyama
| 2011-07-21 08:25
| 読書
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Comments(2)
Commented
by
泉沢宗史
at 2011-07-21 11:30
x
いいですよね、山折哲雄。僕は日経の夕刊の記事で氏の文章を読んで、ちょっと人生観が変わったような気がします。スキャンしてあるので、もし読むのであれば、お送りします。
0
Commented
by
haruharuyama at 2011-07-22 07:38
泉沢さん。コメントありがとうございます。もしお手間でなければ、山折さんの文章を送って頂けると嬉しいです。
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