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本書は、井上ひさしが亡くなってから世に出たもの。 2010年4月9日に井上ひさし永眠。 本書の発行は、2011年3月20日。 彼の母校、上智大学で4回に渡って行われた講演録を書き起こしたもの。 むつかしいことをわかりやすく語ってくれる井上さんが、 講演なのでさらにわかりやすく語ってくれている。 また、講演ではアクセントのように笑いを取る部分を まぶしていくんだな、ということが本書を読むと良くわかる。 それが入ることによって、聴衆の集中力を持続することが可能になるのだろう。 そして、この講演の内容には 目から鱗の事例がたくさん紹介されていた。 ということで今回は、そのなるほど! というエピソードを書きだしていくことにする。 図書館で借りたものなのでページを折ったりすることが出来ない。 付箋の束を裏表紙の間に入れて、気になる部分に付箋をする。 ブックマーク部分を引用する。 言葉は道具ではない。母語は精神そのものであるということがわかってきます。 外来語は物事を単純化してしまう、 例えば「リフォーム」という言葉に込められた様々な意味を 外来語は一言にしてしまいその多様性が損なわれる。 日本語には大きく分けて三種類の言葉がある。 「やまとことば」「漢語」「英語」 の三つが組み合わされそれに応じた言葉がある。 例えば。「きまり」「規則」「ルール」のような。 そして、このくだりが衝撃的だった。 私は芝居も書いていますが、台詞は「やまとことば」でないとだめなんです。 漢語ではお客さんの理解が一瞬遅れます。 演劇の場合、時間はとまることなくずーっと進行していきますから、 お客さんがちょっとでも考え込むと、その考え込んだあいだだけ、 続く台詞が聞こえなくなります。 そうすると観客の意識に、穴があいてくる。 それを避けるために、なるべく漢語はやまとことばに言い換えています。 「新潮現代国語辞典」は見出しでやまとことばは平仮名、 漢語はカタカナというふうに区別されているらしい。 なるほど、話し言葉を書く時に漢語を使わないで やまとことばを使うというのは発見であり、言われてみてなるほどなと思った。 また明治時代に様々な外来語が日本語に翻訳されていったという話も興味深かった。 フィロソフィーは「哲学」バンクは「銀行」アートは「美術」などという 例をあげて解説をしてくれた。 明治の日本人の外国のものを吸収しようとするエネルギーが現れている。 日本語がどのように話されるのか?という項目では 遠くまで届く音は何なのか?ということを井上ひさしはきちんと考えて作っているのだな! ということを知り。この人の奥深さに改めて感心した。 「い」行の音は遠くへ届きやすいらしい。 そして、さらにさらに新たな発見は翻訳のことだった。 英語やフランス語の劇を日本語に翻訳すると 上演時間が倍以上もかかることを! 日本語は子音だけで終わらず必ず母音が入ることで 二倍近い音の長さになるのだと。 どれも、言われてみると、そうかも知れないと思うのだが、 そうかもしれないということをきちんと理論だって 説明することは大変な才能である。 最後にノ―ム・チョムスキーの生成文法について 井上ひさしがバサっとわかりやすく説明してくれた、項を紹介する。 「9・11」以降積極的に発言を続けるリベラリストの チョムスキーは実は文法などについて研究している人。 しかもこの先生がMITという理科系の大学にいるというのも興味深い。 「変形生成文法」という理論は、 普遍的な文法の基礎は生まれたばかりの赤ん坊の脳にも すでに取り込まれているのではないかということ。 SOVという基本は誰でも持っている。 OとSは必ず存在していますから、 それを結び付けるVというものが必然的に生まれてくる、 これがチョムスキー文法の基本です。 その基本が自分の置かれた言語環境によって さまざまに生成を遂げていくということなんですね。 彼の生成文法についてこうして説明してくれた文章に初めて出会った。
by haruharuyama
| 2011-07-23 09:46
| 読書
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