今回は、いつもの「座・高円寺」から場所を変えて、
池袋のお寺の横にある、シアターグリーンでの公演。
オープニングが身につまされる。
近未来あるいは並行時間の話。とある。
ある場所で大きな災害が起き、原子力発電所の
全電源喪失が起きた。
そこから半径30キロ圏内は立ち入り禁止となる。
そこに若者たちがやってくる。
立ち入り禁止区域内に入ろうとする彼らと、
彼らを制する、警察官と電力会社の係員。
こ、これは、まさに、いまこの国で起きていることなのではないか?
突然、彼らの前に透明な壁が現れ、
彼らはこの放射能まみれの区域の中に隔離される。
そこは、壁に覆われていることによって、
放射能の被害のない「幸せの街」を形成する。
オープニングタイトル。
「炉心溶融」「水素爆発」「建屋崩壊」
「セシウム」「ベクレル」「注水停止」
などなどの言葉がスクリーンに映し出される。
本作は、1988年に「第三舞台」で初演されたものの再演。
初演を、紀伊国屋ホールに見に行った記憶がある。
その時には、こんなに身近にこの問題を捉えることは出来なかった。
そして時代が鴻上の近未来を描いた戯曲に追いついてしまった?
23年後のことである。
今回は「第三舞台」の俳優、大高洋夫が出演しており、
いつもの若い俳優たちにアクセントを添える。
また過去の「第三舞台」のファンは彼を見てあの頃を思い出す。
バブル絶頂期に絶頂を迎えた劇団の一つだった「第三舞台」。
野田秀樹率いる「夢の遊眠社」とともに、あの時代を代表する劇団だった。
映画「ベルリン天使の詩」が公開されたのが1987年。
本作はその影響を受けているのだろうか?
天使が高みから人間たちを見つめている。
人間たちのお祭り騒ぎを客観視する。
バブルの頃の狂騒と、今のフクシマの狂騒とがダブって映し出される。
その人類の狂騒を天使たちは冷ややかに見つめる。
そうした批評性がこの舞台には感じられる。
しかし、鴻上尚史は批評性を重く描くことはしない。
あくまで軽く、ギャグを連発させながら
ものすごいテンポとスピード感で見せていく。
もちろん、ダンスも随所に登場する。
透明の壁に覆われたコミュニティは独特の進化を遂げる。
メディア関係の人ばかりの街となる。
メディアに関係していない人がほとんどいないんじゃないか?
という構造がこの街では起きる。
全員が作り手であり出演者でもある。
これは、今の時代のメディア崩壊の社会に構造が似ている。
今や全員がメディアの発信者になれる時代となった。
本作は1988年の戯曲を現在に合わせて
大きく書きなおしているのだろう。
オープニングとエンディングの書き方は秀逸。
鴻上が28歳の時に書いた戯曲が現在の状況に出会い、
虚構の劇団版の、
あらたな「天使は瞳を閉じて」が完成した。
21日まで。
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