主催:「この子たちの夏2011」上演委員会。
この委員会は、地人会新社と社団法人国際演劇協会の二つの団体で出来ている。
構成・演出は木村光一。
木村は今年80歳になる。
地人会時代に木村はこの朗読劇を始めた。
毎年、夏になるとこの朗読劇が全国で講演される
ニュースが報道されていたのを歳時記のように思いだす。
この朗読劇の初演は1985年7月の高崎公演。
バブルへ向かって日本が駆け昇ろうとしている時に、
こうした試みが行われていたことに驚き、
地人会という組織の揺るぎなさを思った。
地人会が解散したのが2007年。
木村は75歳まで地人会をやり続けた。
そして、この朗読劇も地人会の解散まで続いた。
劇作家や演出家の寿命は、かように長いということも一つの特徴。
長い寿命の中でないと表現できないこともあるだろう。
また、やり続けている中から見えてくるものもある。
それは他の芸術も同じなんだろう。
美術、音楽、映画、小説、詩、などなど
いつまでも創作活動をしているという人をあげれば
枚挙にいとまがない。
地人会の解散から4年が経って、
新たに、この朗読劇が生まれ変わった。
キャストを一新しての舞台だと聞く。
代休の日の朝、劇場に電話したら当日券があるというので
三軒茶屋に出かけていく。
劇場に行く前に「三河屋」という寿司・鰻のお店で昼食。
鰻重が1000円。肝吸いとおしんこが付く。
おいしい。
しかし、三河屋という屋号が、酒屋の御用聞きみたい。
それとも、愛知県の「三河」のことなんだろうか?
世田谷パブリックシアターに入ると、平日の昼の
3時からの公演ということもあったのだろうか?
年配の方が圧倒的に多かった。
そしてチラホラと親子連れが。
この公演、一般は3000円なのだが、
24歳以下は1500円、そして中学生以下は1000円と設定されているのがいい。
以前の地人会の公演では日色ともゑさんや渡辺美佐子さんが
演じられていたと聞く。
新たなキャストとなった母親たちは、
原日出子、根岸季衣、西山水木、高橋礼恵、島田歌穂、かとうかず子の6名。
それに加えて短歌・俳句の朗読で
世田谷区内の中・高校生が参加していた。
演劇はこうして地域と一体となり活性化する。
そして、朗読劇はその垣根が低く参加しやすい。
木村が構成したテキストは実際の被爆体験者の手記からの引用。
ものすごいリアリティに胸を打たれる。
家族が亡くなって目の前で焼かれていくのをただ見ているシーンに涙が出た。
最愛の人たちが一瞬で亡くなり、そして目の前で野焼きにされる。
無念という言葉はこういう時にあるのだろう。
そして、今年は3・11の大震災と津波の被害にこの光景が重なる。
この朗読劇は死者への鎮魂の物語なのかも知れない。
この舞台がより多くの人に演じられ参加されることを、
構成・演出の木村光一は願っているのだろう。
そして、同時に、いつまでもこの上演委員会が続くことを願います。
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