カンヌの国際広告祭の報告会で語られた、
電通の白土謙二さんの言葉が今も残っている。
「カンヌ広告祭に行くのは意味がない!」
とあるイギリスかどこかのクリエイティブディレクターが
白土さんに語ったそうである。
この広告祭の場には過去のものしかない、と。
では、未来を作っているクリエイターたちはどこに行っているのですか?
と質問をすると、
そのクリエイターは「ヴェネチアビエンナーレ」です、と答えたらしい。
2年に一度、国単位で参加して行われる
現代美術の展覧会から新たなクリエイティブのアイデアを
発見しようとする姿勢には多くの示唆が含まれている。
実際に現代アートをCMなどに応用している例はいくつもある。
HONDAの「COG」というTVCMは
スイスの現代アートの作家の作品「The Way Things Go」から
着想を得て作ったものと言われている。
簡単にいうと「ピタゴラスイッチ」である。
連鎖してドミノ倒しのようにつながっていく。
その手法は高橋酒造「しろ」の動画や、今年カンヌで賞を取った、
NTTドコモの木で出来た携帯電話のキャンペーンにもつながるものがある。
このことについて取り上げているサイトを発見!
http://blog.goo.ne.jp/wonosatoru/e/9547573f3ed8b377c89a03e7f4ac2750
このヴェネチアビエンナーレは
各国が出資してそれぞれのパビリオンに出展するという方式であることを
この報告会を聞いて知った。
日本館の運営を行っているのが国際交流基金(Japan Foundation)
であることも初めて知った。
そしてこの国際交流基金という団体は文化芸術を多く扱っているので
文化庁か何かの団体かと思ったら、
外務省だと聞いてびっくりとともに納得。
海外への発信ということも国家の重要な外交の仕事の一つでもある。
この団体の行っていることは、
こうした日本の文化芸術関係の紹介&交流と
海外における日本語教育そして
日本研究の知の交流などがあると聞いた。
本報告会は今年のヴェネチアビエンナーレに参加した
アーティスト「束芋」さんと一緒に
ベネチアでキュレーターとして同行した植松さんの現時点での
ヴェネチアレポートを聞く会であった。
僕が初めて「束芋」の作品を見たのが
2001年の「横浜トリエンナーレ」だったように記憶している。
「にっぽんの通勤快速」というもの。
電車内がアニメ―ションで延々と描かれる。
それも三方からの投射で見ている人は
実際に電車の中に入っているような体験が出来た。
「束芋」は今回、この日本館の形状を見て
この制限とも思われる環境を逆に生かして見せることが出来ないか
と考えたそうである。
そこから鏡と十数台のプロジェクターと真ん中に空いた穴を生かした形で
出来あがったのが「てれこスープ」(teleco-soup)という作品だった。
会場内全面に投影された束芋のアニメーションが
見ている人を不思議な世界に連れていくのだろう。
実際にこうしたものは目で見てその解像度などとともに
体験してみないとわからないが、
面白そうな展示だなというのはビデオを通じてでも
感じることが出来た。
このヴェネチアビエンナーレは6月4日から11月27日まで続くらしい。
約6カ月に渡る上演の大変さとそのクオリティを維持し続ける努力についての
実際の話を聞くことが出来た。
そして各国の対応の違いについても伺うことが出来た。
その場でその時間に居合わせることの経験が
こうしたパフォーミングアートには必ず必要なことであるのだなと
改めて思った。
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