中野に新しく出来た劇場。
MOMOとザ・ポケットの横にこのHOPEという劇場と
テアトルBONBONが出来た。初HOPE。
日曜日の12時からという変則的な時間の公演だった。
しかし、もうこの時間には中野の街はものすごく暑かった。
坂を少し登るだけで汗が出る。劇場まで7-8分かかる。
野木萌葱のパラドックス定数もいつも見たい劇団の定番となった。
前回は3月の震災後の公演だった。
あれから5カ月。コンスタントに年に2回、
新作をつくり続けていることに敬意を覚える。
今回は競馬の話。四国の香川県にある丸亀の地方競馬場が舞台である。
野木は競馬が好きなんだろう。
野木の描く世界は男以上に男っぽい
。出演する俳優は全て男性である。
6名の男優が馬主や調教師、厩務員、そして競走馬になる。
6名なので役がどんどんと入れ替わり、
そこに追いついていかなければならない。
特に競走馬の名前を一致させるのに少し時間がかかるが、
そこをクリアすれば、いつもの野木脚本と同じように
濃密でスリリングな物語を堪能できる。
これを見ていて思いだしたのが映画「桜の園」。
中原俊監督の映画。これは女子高の演劇部の話。
原作は吉田秋生の漫画である。
静謐で淡々とした描写からドラマが生まれる。
何故「桜の園」とダブったのか?
ピアノ曲が劇中に流れたのか?
表現しようとするイメージがシンクロしたのだろうか?
地方競馬での様々な情景が競走馬やそれにまつわる人々の
エピソードが描かれる。
その断章を積み重ねていきひとつの物語に紡いでいく。
15歳の競走馬を連れて
何とかもう一度再起を!と調教師のところにやってきた貧乏馬主。
調教師はこの馬がこの馬主の持っている最後の馬であると知り、
馬主を厩務員として雇いながらその競走馬を調教していく。
ある馬が丸亀から尾道の競馬場に行き、
そこでレースをする様子を描くシーンは印象的だった。
丸亀の競馬場からは海が見える。
「海は何のためにあるのか?」と栗東のトレーニングセンター出身の
中央競馬から転落して来た競走馬が尋ねる。
と、「海はレースに負けたときに眺めるもの。」
と丸亀の競走馬が答える。しみじみとしたシーンである。
本作の面白いところが人と馬がすぐに役割を交換するところ。
それをネクタイに付けられた金具に手綱をつけることによってあらわしている。
金具に手綱をつけるとその時点でその俳優は競走馬となる。
競走馬と馬をめぐる人々には様々な人生がある。
そこには栄光の時期も転落の時期もある。
しかも扱っているのが地方競馬。
中央競馬への大きな階段もあり、
骨折や怪我による殺処分も同時に存在する。
寺山修司の言葉が劇中で発せられるが、
競馬を通じて人生を見ることが出来るということを、
この舞台を通じて教えてもらった。
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