「The Tree of life」を見ることになったのは本当に偶然のことだった。
下北沢に寺島しのぶが出演している
寺山修司の戯曲の舞台「伯爵令嬢小鷹狩掬子の七つの大罪」を見に行こうと
のこのこと当日券を求めに行ったらいきなり本日は無理です!と断られた。
何と!キャンセル待ちにも10名のお客さんがいるという。
開演40分前に行ったのに。
山内ケンジさんも絶賛していたので見たかったのだが残念!
ということで、渋谷で何か映画をやっていないか?
ということで丁度よさそうだったのがこの「ツリー・オブ・ライフ」だったという次第。
監督のテレンス・マリック(67歳)は米国にいて
ハリウッド映画とは一線を画している人である、ということは聞いていた。
この監督について、こう書かれている。
1978年の「天国の日々」でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞したが、
その後監督業から離れ、フランスで教鞭をとっていた。
映画界ではいつしか「伝説の監督」と呼ばれるようになる。
そして20年後にカムバック、1998年の「シン・レッド・ライン」で
ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。
2005年の「ニュー・ワールド」を経て、
2011年には「ツリー・オブ・ライフ」でカンヌ映画祭パルム・ドールに輝いた。
カンヌ映画祭の上映後、賛否両論が分かれたと書かれてあった。
見て、それもむべなるかな、と思った。
独特の強さと違和感がこの映画にはある。
それが好きか嫌いかでこの映画の評価は大きく分かれるだろう。
ある男(ブラッドピット)の家族の物語と精神の物語が交錯するように描かれる。
そこに「The Tree of life」と言うだけあって、生命の歴史が描かれる。
宇宙のビッグバンから始まり
それが広大なガスと無機物を産んだ。
それらが大量に集まってあるものは恒星となりあるものは惑星となる。
新星の誕生である。
新たな星に水が生まれ溶岩と溶け合い、
そこから有機物が生成する。
植物と動物が生まれ、恐竜たちが地球を支配するようになる。
しかし、大きな隕石の落下によって地球は突然の氷河期を迎えることになる。
その一瞬にわたしたちは生きているに過ぎないというメッセージをも感じる。
柴幸男の舞台「わが星」にも似た構造。
46億年とブラッドピットが結婚して父親になり
子供たちが成長する10数年が対比的に描かれる。
カメラワークが独特である。
「ニュー・ワールド」の撮影監督エマニュエル・ルベツキが今回の撮影も担当。
ワイドレンズを使った移動撮影や手持ちのステディカムなどを多用した撮影で
全編、移動移動の連続である。
小さなスクリーンだから良かったけど、大きなスクリーンで見ていたら
酔ってしまうんじゃないかというような不思議な感覚の映像である。
しかし、その映像はとても美しい。
「アイズ・ワイド・シャット」のカメラワークが硬質で一部の隙もないとしたら、
本作のカメラワークは自由闊達で約束事など何もないような
カメラワークとでもいうのだろうか?
この映画では、VFXが実は様々なところで使われているのだが
それを感じさせない作りになっている。
ブラッドピットと妻、3人の息子たちの物語の舞台は
典型的な米国の地方都市である。時代は1950年代。
男は逞しく権威があるものとして描かれる。
しかしながら、「奥様は魔女」のような古き良きアメリカを描いてはいない。
その暗部にフォーカスを当て
あの時代の米国をとても批評的に見ている。
ベトナム戦争が始まる前のことである。
嬉しかったのが初々しい高校生のカップルがこの映画を見に来ていたこと。
あの子たちはいったいどんな大人になるのだろうか?
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