みなとみらい線の終点、元町・中華街のひとつ手前の駅
「日本大通り」の駅から山下公園の方へ数分歩くと神奈川県民ホールがある。
海が見えるホール。ホテルニューグランドと同じ通りに面している。
小ホールは、二百数十人ぐらい入るだろうか?
こじんまりとした感じがいい。
横浜に来ると、人口密度が低い感じがする。
人と人が触れ合わずに歩ける人口密度。
しかも静かである。特にこの山下町近辺がそんな街なのだろう。
ゆったりとした大人な街である。
「志の輔」の公演も大人の方たちが多かった。
横浜には「横浜にぎわい座」という
落語を良くやっている小屋もあり、落語民度が高く
お客さんがいいと「志の輔」本人も終演後そういった話をしていた。
本当にそうだった。
一期一会というものがあるのだなあと思った。
この公演を見られることのチャンスを与えてくれたことに感謝。
三浦一派という落語好きの集まりがある。
そのチケットが余ったので譲って頂いた。
「志の輔」は「ペヤング」のCMの人、
NHKの「ためしてガッテン」に出ている人という認識しかなかった。
今年の、1月に「志の輔ライブinPARCO」という独演会があり、初めて見た。
びっくりした。
一人で演じることによって、僕たちに想像力を与えてくれる。
「志の輔」の語りによってその想像のビジュアルが
ありありと眼前に映し出され、登場人物がリアルに動き出す。
この体験は、演劇の舞台や、映画にはないものだろう。
そうして、僕たちの想像力と
演じる「志の輔」のしぐさ・声の調子・発声の仕方がシンクロする。
そのときに爆発的な効果を生み、会場は笑いに包まれる。
以前の三谷幸喜の舞台で、会場全体が笑いに包まれて
うねりだすという体験を何度かしたが、それと同じ、
いやそれ以上に会場が笑いに包まれ、「志の輔」の一言でドッと受け、
笑いがうねり始めることを経験できたことの幸せといったら、ない。
場は観客が作っていくというのもうなずける。
小ホールのアットホームな広さがそれに輪をかけた。
枕ではニューヨークからラスベガスへ旅行をしてきたことを語る。
ラスベガスでのショウ「オー:O」と「カー:KA」がいかに凄かったかの話から入り、
「天災」へ。中入り後「崇徳院」を演る。
中でも「天災」での八五郎がよかった。
とぼけかたが絶妙だった。受けのつっこみとの「間」が上手い!
あのテンションを持続しつつ、 90分以上一人で演じきった
集中力と体力にホンマ恐れ入りました。