この映画は、もともと1960年に作られた
「下女」という韓国映画のリメイク版だそうである。
新聞の映画評を見て興味を持った。
メイドさんとして働いていた女が
そこの主人と関係を持つようになり主人の子を妊娠してしまう。
そこから、主人とメイドとの関係が変わる。
というような紹介の記事だったように思った。
最初、ソウルの市内のごちゃごちゃした繁華街の風景が
手持ちカメラで映し出される。
数々の屋台や飲食店の風景がそこにある。
主人公であるメイドの女性もそこで働いている。
その街のビルの上から一人の女が飛び降り自殺をする。
救急車やパトカーが来てその現場は騒然とする。
早朝、仕事を終え、飲食店で働いていた主人公の女性と
その友人のおばさんはバイクで家に帰ろうとする。
と、二人は、その飛び降り自殺の現場を通りかかる。
地面には、ヒト型にチョークが引かれている。
血痕が道路に残っている。
その後、ある人を介してその女性は
大金持ちのお屋敷でメイドとして働き始める。
制服を与えられ。50歳を過ぎているだろう
ベテランメイドと一緒に働き始める。
どんだけ金持ちやねん、というぐらいの豪華な家で彼女たちは働く。
夫は、朝ピアノを弾きその後朝食を食べる。
主人には、妻と5歳くらいの可愛い女の子がいる。
妻は妊娠をしており臨月間近である。
おなかの中には二人の赤ちゃんがいるらしい。
ものすごい美人の妻。沢尻エリカに似ている。
基本構造はこれだけ。
ここにメイドの大先輩であるおばさんと主人の義理の母がからむ。
義理の母は、主人の父親の後妻さんだろうか?
ものすごくわかくて綺麗。
黒田福美の若かりし頃?あるいは鈴木砂羽?のような感じ。
子孫を遺して家を守ろうとする主人の考えと、
自分たちのポジションを守ろうとする本妻との思いが
対照的に描かれる。
結局、女は従属するものでしかない。
1960年代の映画をベースにしているから仕方がないかもしれない。
そういう時代だったのだ。
その家と家の財産と地位に帰属して生きる
女たちとの確執の物語とも言える。
同時に、主人は山の中の別荘で、妊娠している妻とのセックスがままならず、
メイドさんに手を出してしまう。
昼メロやポツドールの舞台を思い出す。
メイドは主人のことが気にいっていたのですぐに許してしまう。
そして妊娠が発覚。そこから事態は急展開する。
韓国には「恨」(ハン)という言葉がある。
その言葉をこの映画では強烈に感じる。
「韓流」でなく「恨流」映画である。
エンディングのシーンは恐ろしく衝撃的。
あの5歳くらいの女の子はその後どのように生きていくのか?
という余韻を残した、
韓国のポツドールかとも思えるような映画だった。