このダンスカンパニーは女子ばかりのガーリーなカンパニー。
チラシには、女体の動きを妄想的視点(=男子)、
およびラブリー視点(=女子)の両極から捉え、
果てなく行き違う2つのベクトルの交差点にある
夢と現実と虚無をポップに描き出す。とある。
ロビーで開場まで待つ。
ロビーではこのダンスカンパニーのプロモーションビデオが流されている。
山本真希監督の手になるもの。
白バックの美しいガーリーな世界と
そのダンサーたちが現実世界の中で踊るという
少しおかしな世界が組み合わされている不思議な映像。
日常と幻想がいっしょくたになって画面から流れてくる。
会場に入るとそこはジオラマセットのようにポップなセットが
劇場いっぱいに作られている。
観客席などはなく、観客はその通路の好きな場所にいて
このパフォーミングアーツを見る。
階段を降りると、教室のような場所がある。
教室の内部を通り抜けると一面グリーンの壁と床。
ここは公園か裏山か?森か?林か?
そこを抜けるとカウンターテーブルがある小部屋?
を右手に見ながら降りて行く、
橋がかかっており
橋の下の川の部分が通路に。
り川を抜けると大きな鳥かご状の場所に来る。
その奥は家になっておりダイニングテーブルがあり、
大きな炊飯器が置かれている。
演出の菅尾なぎさの振り付けは独特な動きをダンサーにつけていく。
虫か小動物のような動きを想像させるように感じる。
ダンサーの衣装がお尻の部分に大きなフリフリがついており、
蜂のようでもある。
ダンサーは女子ばかり14名。
そのダンサーたちがこの会場の様々な場所で踊る。
踊るといってもその振りは多様。
寝転がって虫のように這いまわるシーンがあったり、
素早いユニゾンのダンスがあったりする。
いくつものシーンが特徴的に描かれる。
眠っている女性ダンサーのほっぺたを指で押すと
突然大音量が流れ12名のダンサーたちはダイナミックに動きだす。
しかし、ほっぺを押すダンサーと寝ているダンサーはフリーズしている。
その対比がいい。
ラスト15分くらいが圧巻。
ご飯が出来ました。といって実際の大きな炊飯器のご飯が炊ける。
どんぶりにご飯が盛られ、配られる。
そこからは熱狂のダンス。14名のダンサーが会場内を踊りまわる。
以前、原美術館で見た「珍しいキノコ舞踊団」の公演を思い出した。
ガーリーで面白くて可愛くて美しい。
そういった要素が混在となったパフォーミングアーツだった。
参加した人はみなニコニコしていた。
そんな気持ちになる不思議なイベントだった。