ミナモザの「指」。何とも陰鬱な二人芝居。
津波で流された街で盗みを働く男と女。
クルマの中にあった死体を発見する。
その死体の指には指輪が光っていた。
この男女はその指輪を外そうと…。
作・演出の瀬戸山美咲は若い女性だったので驚いた。
アロッタファジャイナの「日本の終わり」はこの演劇シリーズ「日本の問題」の
プロデューサーでもある松枝佳紀の作演出作品。
松枝佳紀は日本銀行出身というキャリアを持つ劇作家である。
この日本銀行時代の経験がとても良く活かされた作品となった。
そして松枝はこの演劇の中で語られるメッセージを伝えるために
今回のこの「日本の問題」を行ったのではないかとすら思った。
そして松枝のメッセージはとても面白く魅力的だった。
ある女子高生が新たな総理大臣に出会い
総理とともにその政策を語るというもの。
2012年の話とされている。
日本銀行に入った男(舞台の上では現首相)は、自分が頭がいいと思っていたのだが、
ここにはそれ以上に頭のいい面々がたくさん集まっていた。
そのことに驚き。そういった組織で働くと当然その組織の論理で
人々は働かなければならなくなる。
東大を出たような優秀な人々が、組織の手足にならざるを得ない。
組織の中でのそういう人は必要だから。
もちろん組織の頭脳としての人々もそこにはいるのだが、
膨大な優秀な人材が活かされないと彼は感じている。
それは経済至上主義(グローバリズム)の行きつく先の結果なのかもしれない。
東京に人は集中し、優秀な人材はその中の優秀な組織に入り、
その中の大半の人々は手足となって働くことを余儀なくされる。これが現実。
でも、もっと違う考え方が出来るのではないか?とその男は考える。
日本の歴史に照らし合わせて男は検証する。
外圧によって日本は開国をせざるを得なくなる。
植民地になるのを避けるため富国強兵策が取られる。
明治維新とともに日本はグローバリズムの大きな流れの中に投げ出される。
東京で一国の機能を管理し国益を損なわない国家を作るべく行ってきた政策も
いまや崩壊の危機を迎えつつある。
米国や欧州の現実を見れば明らかである。
では、これから日本はどこに向かえばいいのか?ということ。
そこで松枝が考えたのが、廃県置藩である。
手の届くコミュニティの中に、東京に集中してきた優秀な人材を分散させ
その藩の中でその地域にあった政策を行うこと。
江戸時代にならい約300あった藩を再興しそこで新たな日本を作っていくのは?どうだろう?
東京一極集中からの脱皮が出来るだろうか?
そのために日本を解散します。
という発言でこの演説は終わる。
何とも刺激的な論考である。
それと女子高生との対比がベストセラーとなった「もしドラ」を思い出す。
ろりえ「枯葉によせて(仮)」はいつものアバンギャルドな演劇。
東北のある街の話。ある老人の男とそこにまつわる4人の女が関係する話。
死者と生者が混在し、能楽のようでもある。
話は行ったり来たりしながら進んでいく。
松下結衣子が魅力的。
カーテンコールで松下の素顔がわかるのがいいのではないか?
というアフタートークでの奥山の話は興味深かった。
JACROWの「甘えない蟻」。これも女子高校生が登場する。
地震で崩壊した街での話。
これらBチームの
4本のうちの3本に女子高校生が登場したのは何か狙いがあったのか?
アフタートークで金子修介がそのことについて
制服の衣装の色を変えるなどして変化をつけたら?
とおっしゃっていた。
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