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シアタートラムネクストジェネレーションの一環。 本公演は、以前、王子小劇場で行われたものの再演。 とはいえ、王子とトラムでは小屋の大きさ自体から違う。 平日の公演だったが客席は満席! トラムシートにも入りきれず、左右の階段で立ち見をする方が何人もいた。 前回の公演は「『劇』小劇場」で金子みすゞの評伝劇をみた。 今回のものは、大正4年からの 江戸川乱歩とその妻を中心に描かれる。 作の長田育恵はまだ若き女性作家である。 なのに、こんな重厚でしっかりした戯曲が書けることに驚く。 聞くと、井上ひさしの舞台にも関わっているらしい。 なるほどと、少し納得。 と、同時にNHKの「祝女」という番組にも脚本を提供しているらしく 幅の広い作家である。 そういえば、井上ひさしもNHKに向けて脚本を書いていた。 「ひょっこりひょうたん島」や「ねこじゃら市の11人」。 長田はそうした番組を見ている筈のない世代である。 演出は扇田拓也(ヒンドゥー五千回)。彼も若い演出家である。 彼の父は有名な演劇評論家である扇田昭彦。 この日はお父さんも舞台を見にいらしていた。 本作では江戸川乱歩の芸術家としての苦悩に焦点を当てている。 乱歩は本格探偵小説の分野を日本で初めて確立し、 流行作家になっていく。 しかし、彼の作品には無意識にエログロの要素が折り込まれ、 大衆からは本格探偵小説とはそういうものであるというような メガネで見られることとなる。 そういったことを書かざるを得ないのが彼の個性なんだろう。 その個性を多様性の中の一種として世間は見ることが出来なかった。 というのも、探偵推理小説の分野で本を出している人が 他にいなかったから。 そのような問題が彼を悩ませる。 自分自身と世間との間で葛藤が始まる。 乱歩の妻はそれに寄り添って生きて行く。 カウンセリングとか心療内科などということが 今では普通に行われることであるが、 この時代ではその役割をこの妻が担っていた。 乱歩はまた、少年のことを好きになるような 性癖の持ち主でもあった。 そんな乱歩が阿片街などで遊んで帰ってくるのを待つ妻。 三重県の鳥羽から出て来た妻は 自分で自分のことを語りながら乱歩との半生を振り返っていく。 舞台途中で、乱歩の原稿が完成するとまず、 その妻に原稿を音読してもらうシーンがある。 それを聞いて乱歩は文章を直していたらしい。 とても興味深いエピソードである。 村上春樹が文体とはその人のリズムであると言った。 乱歩のリズムは妻の朗読によって決定されていったのか? 妻は「芋虫」の初稿を読む。 そのあたりから俄然この舞台に緊張感が満ちてくる。 書けない乱歩に向き合う弱小出版社「博文館」の横溝正史と 大手出版社講談社の編集と3人の緊迫したシーンもとても印象的だった。 乱歩の恋文の顛末は最後に出てくるのでお楽しみに!29日まで。
by haruharuyama
| 2012-01-27 09:53
| 舞台
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