「まとりょーしかのぶらんこ」と読むらしい。全然、読めない。
「とんぼだま」主宰で作・演出は島林愛。1982年生まれ。
僕と丁度20歳違う、24歳。
桜美林大学文学部総合文化学科の一期生だった。
桜美林大学は、劇作家であり演出家である、平田オリザが教授をしていたところ。
彼女は、学生時代に舞台に出演しながら、
平田氏や青年団との交流が始まったようである。
スタイルは青年団とやや近い。
プーク人形劇場は、新宿西口から代々木のほうへ少し歩いたところにある。
人形劇団プークは人形劇界の老舗である。
何度か、CMの仕事をお願いしたことがある。
1階がロビーになっていて、劇場は地下へ地下へ降りていく構造になっている。
子供たちが見る事を主眼に作られているので、椅子自体が低く小さい。
まるで幼稚園の園児用バスの座席のようである。
劇場は小さいながらも2階席まである。
舞台は簡素だが清潔な印象。
チャコールグレイのカーペットが敷き詰められている。
上手の螺旋階段をうまく活用していた。
舞台中央に、懐かしいような古い箪笥が一棹置かれている。
その上と床に、様々な意匠のマトリョーシカが置かれている。
ストーリーはあるアパートの住人たちの話。
メインとなる部屋は、兄妹の部屋。兄はゲイで彼氏がいる。
その部屋に彼氏をはじめ、妹の友人、大家さん、
アパートの住人などの様々な人たちがやってくる。
特に、大きな事件が起きるわけではないが、
赤ん坊が出来たという話を交えつつ、
兄妹のココロの中を戯曲は覗こうとする。
途中でウサギの耳をつけた人が出てくる。
彼女たちは月からの使者なのだろうか?兄妹のココロの使者。
舞台上方には、月がかかっている。
この舞台に特徴的なのは、これは女性にしか書けないと思ったこと。
出演者は兄の彼を除いて全て内面は女性。
彼女たちのココロの奥底にあるものを
なんとかかんとか引っ張り出して僕たちに提示しようとする。
その行為は痛々しくもあるが、また、強くもある。
現実に向かい合って、生きていくことの大変さみたいなものが
この舞台で表現されようとする。
そして、何度も何度も、月に関すること、月経に関すること、赤ん坊に関すること
のモチーフが現れる。
このことが女としての島林にとっての必然なのかどうかはわからない。
もし、そうだとすれば自分に関することを、
このように表現出来てしまう24歳というのは凄い!
そうでないのならば、彼女のもつ想像力はもっと凄い!
