先日、こまばアゴラ劇場で
劇作家・演出家の山内ケンジさんと会った。
何かおススメの舞台はないですか?
と聞いて教えてくれたのがこの「昨日の祝賀会」だった!
しかし、第1回公演やないか!
何で面白いってわかるんだ!?
と思ったら、以前から作・演出のふじきみつ彦のことをご存知で、
出演者も「城山羊の会」に出演されている
永井若葉や岡部たかしがキャスティングされていることを聞き納得した。
せっかく、こんなお話を聞いたのでと、
新宿御苑前を定時に出て、19時半、五反田のアトリエヘリコプターに到着。
当日券で購入。全席自由席なので当日券でもいい席が空いていた。
ある田舎の旅館の物語。
とはいえ、この旅館、民宿と言っても差し支えのないようなところである。
六畳がありその奥のベランダ的なところに廊下状のものがあって
一人がけのソファみたいなものと小さなテーブルが置かれている。
典型的な昭和スタイルの旅館である。
六畳の真ん中には座卓が置かれており、給茶セットが置かれている。
永井若葉の発言から舞台は始まる。
この旅館にひょんなことから泊まることになった
男(夙川アトム)の連れて来たウサギが行方不明になった。
そのウサギについての会話がなされる。
(以下、ネタバレ含みます)
その男をここの町に呼んできたのが鉄夫(山本剛史)
その妻が栄子(光瀬指絵)である。
栄子の実の姉が砂子(永井若葉)でこの旅館の実質の経営者である。
その夫が豊(岡部たかし)。
彼は今の妻の実の妹=栄子(光瀬指絵)と以前結婚しており、
離婚してその実の姉の砂子(永井若葉)と4回目の再婚をした。
こう書くとややこしいようだが、
舞台を普通に見ていると見えてくる。
その関係性が徐々に、彼らの会話によって明らかになる。
その関係性を見せるための会話の設定が上手い。
ある小さな事例を出して関連付ける。
一番演劇的で面白いなと思ったのが「犬」のくだり。
「犬」のにおいをつけて帰ってくるエピソードが笑える。
においをかぐという行為はとても身体的であり演劇的。
全編にわたって人間のどうしようもない感覚が微妙ににおいたつ。
ハイバイや五反田団の上演が良く行われる
アトリエヘリコプターらしいラインの舞台である。
個人的に、一番笑ったのは「焼きそば」のくだりだった。
突然、舞台が奇妙なねじれを起こし爆笑を誘う。
ああ、こうしたずらしを突然起こし、意外性を笑いに変えていく。
と同時に会話や物語の文脈の中で奇妙にねじれていくことが
笑いに転じていくようなシーンもある。
様々なパターンの笑いが混在し同居する。
不思議な80分。30日まで。
この日はアフターコントがあり、
業界用語むちゃむちゃ使いTV局プロデューサーの紙芝居と、
岡部たかし演じる謎のカンフー中国人の
アニメ百科みたいな二つのコントが上演された。