雨の降る中、神保町スタジオイワトに向かった。
神保町と水道橋の中間にそれはある。
昔からの雑居ビルの1階がそのスペースとなる。
ギャラリーのようでもあり、何でも可能な
多目的スペースとでもいえるだろうか?
牛込神楽坂にも似たような形態のスタジオイワトというのがある。
古い雑居ビルの有効活用の一つの事例である。
本公演は、Yさんに教えていただいた。
「乞局」の公演、初観劇となる。
この劇団の名前は随分前から知っており気になっていた。
作・演出の下西啓正は自身、チェルフィッチュなどの舞台に
俳優として出演しており、名前と顔姿は良く知っていた。
今回は、5つの短編戯曲を組み合わせて1作品にしたもの。
そのテーマは万国博覧会、いわゆるEXPOというものだ。
1970年の大阪万博から始まって、沖縄海洋博[1975年)、つくば科学万博[1985年)、
さいたま博[1988年)、そして青嶋幸男知事が中止を決めたお台場の、
世界都市博覧会(1996年)がテーマとなっている。
約30年間の日本の現代史とともに語られる。
各テーマ毎に演出や仕立てが変えられている。
しかも、俳優たちの個性も考えた演出になっている。
俳優は総勢8名。墨井鯨子の独白からEXPO70は始まった。
当時の流行語や風俗、世相のキーワードが彼女の口から次々と発せられる。
激しい動きを伴ったそれは一人パフォーマンスとも言える。
当時、大阪万博会場の近くに住んでおり小学2年生だった僕は、
とても万博の光景を良く覚えている。
家族や親戚などと何度か足を運んだものだった。
この万博、会期6ヶ月間で何と6400万人余りの人が身に来たという。
未来は希望に溢れていた。
その後、時代の変遷に応じて万博のあり様が変わっていく。
それが見えてくるのが面白い。
高度経済成長が続き、みんなが豊かになっていき、
バブルがピークに達する。そしてその後の破綻。
88年のさいたま博覧会のバブルの狂騒の描き方がとても批評的だった。
当時、博覧会に出展していた企業はいま、どうなっているのか?
当時は、破綻する大企業などというのは考えられなかった。
これら40年前からの万博の変遷を
2012年の視点からみると
いろんなものが違う意味を持って見えてくる。
俳優のキャラが上手く活かされ、どれもとても面白い作りとなっている。
自由な演出が見ていて気持ちいい。
「乞局」ってこういう感じなのか?これからも見守って行きたい。
舞台中央にしつらえられた、さいとうよしかずの手になる
「レゴ」で作られたEXPOをモチーフにした模型が象徴的。
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