劇場に入ったら、これでもか!というくらいのお花が飾られていた。
というのも、今回、出演者たちが、ザ・芸能界の方々。
それもバラエティ番組的なノリのメンバーである。
南原清隆(ウッチャンナンチャン)、
そして三倉茉奈(まなかなのマナちゃん)、
山崎樹範はタモリ倶楽部などにレギュラー出演している、
いまやお笑いタレントとも言える俳優。
カムカミニキーナに所属していることを初めて知った。
八嶋智人と同じ劇団出身。
そして背の高い兼崎健太郎。お笑いコンビ「パワーズ」の堀部圭亮。
最後にこのユニットの主宰者であり
プロデューサーでもある近藤芳正。
という6名が集まって行うオムニバス形式での上演。
バラエティコント的な状況で舞台は突き進んでいく。
大きくわけて5つの話からなる。
その話が微妙にリンクしている。作家は3名。
出演者の南原清隆と堀部、そして劇作家であり演出家である
福島三郎が参加している。
一番、個人的に面白かったのは「臨場」(堀部圭亮 作)だった。
ある殺人事件を捜査している刑事とそこの警護にあたる制服警官、
そこに絡む野次馬たち。
ここでの三倉茉奈の芝居がとても良かった。
こんなに上手い俳優だったのか?と知り驚いた。
双子の子どもだった「ふたりっ子」の時の印象とは随分違う。
そして、「あきらめた僕たち」(南原清隆 作)はその設定と世界観が良かった。
夏休みに実家に戻って来た近藤芳正。
そこから過去の近藤が現れ、何をやっても大成せず
長続きしない自分を客観的に見つめ直す。
そのしみじみとした造りと実家の近くの仲間たちという設定が純粋に楽しめた。
南原清隆は、そういうのが好きなんだろう。
ある種の純粋性をもった芸人さんなんだな!と驚いた。
そして、南原清隆くらい、制服警官の恰好が似合う人はいないと思った。