このタイトルの言葉は、見城徹が常日頃言っていること。
彼の生き方は激しくストレートである。
これだけ努力していたら確実に「成功」と呼ばれるものを
手に入れることが出来るだろう、と思うような生き方をしている。
先日、本書の続編が刊行されたが、
このシリーズは売れに売れているらしい。
1950年生まれの見城と1973年生まれの藤田。
39歳と62歳の企業経営者の語る人生訓である。
二人はどういういきさつで知り合ったのかはわからないが、
知り合ってからずーっと交流が続いているようだ。
藤田は見城からワインのことやジムで汗を流すことを教えてもらい、
見城は藤田からまた別のことを学ぶ。
お互いがお互いを師と呼べるようなレスペクトし合う関係である。
根本に流れるのは企業の経営もヒューマニズムが基本にあるということ。
人と向き合うときは真剣に向き合い、いいかげんな気持ちで会わないこと。
そして相手のことを想い、懸命に尽くし信頼関係を作ること。
それは簡単なことではない。
見城のこうした発言を藤田が藤田流に受けて応えているのがいい。
62歳と39歳と言う世代の違いでバランスが取れている発言録となっている。
箴言みたいな1行の言葉があり、それに見城がコメントを書き、
さらに藤田がコメントを書くと言うもの。
二人の視点や感覚の違いなどが見えて面白い。
本書を執筆する歳に見城は例の「幻冬舎」の株式の上場の
廃止のためのTBOを行おうとしているところだった。
本件ではケイマン諸島の投資会社が株を三分の一以上
持つことになり見城は毎日眠れない日々を過ごしていた。
1日2時間しか寝ない日々が何カ月も続いたかと思うと、
その根性には頭が下がる。
見城はそれでなくても1日数時間の睡眠で大丈夫な体質だそうである。
羨ましい。
一方、藤田はキチンと睡眠を取らないと仕事の効率が
極端に悪くなるらしい。人それぞれである。
また、「スポーツは、仕事のシャドー・ボクシングである」という
項目には大いに納得。
きちんとした精神を保ち続けるには、
運動をすることが重要であると言う。
見城は週に6回ジムに通い、藤田もそれに追随するようになった。
身体を動かすことによってファイティングポーズが維持できる
というのは本当に共感出来る。
自省を込めてこの項目を読んだ。
極端な経営者としての事例が書かれていることもあり、凄いな!
と読んでいてずーっと思っていたのだが、
その底流に流れる
人と人がガチンコでぶつかり心を通い合わせることなくしては
ビジネスは出来ないという姿勢は清々しいものだった。