一次産業×デザイン=風景 と副題にある。
梅原さんは先日伺ったAOI Pro.が主催する「はみだし塾」の講師をされた方。
他にどんな活動をされているのだろうか?
と興味を持って本書を読んでみた。
地方で新しいことをするのには時間がかかるということが良くわかった。
「しまんと緑茶」の発売に10年かかっている。
それまで四万十で収穫された茶葉は
原料として静岡に送られ静岡茶になっていた。
原料を加工してデザインして出荷する。
そのことを梅原さんはやり続けている方なんだなと実感した。
梅原さんの活動は高知県だけに留まらない、
鳥取県や島根の壱岐島、伊勢や和歌山、静岡や秩父、
そして長野県の小布施などなど活動範囲は広い。
そして海外にもそれが拡がろうとしている。
壱岐島の「サザエカレー」は今やとても有名である。
が地元の人は恥ずかしいと最初反発したらしい。
サザエをカレーに入れるなんて!という。
それをすごいやん!
と定義し直して地元の特産品として売り込む、
レトルトパックにすれば長期の保存も出来る。
しかもサザエは島にたくさんある、
と、そのような梅原さんのものの考え方は一貫している。
そこがぶれないので力強い!
ふんだんに写真が使われている本書は見ているだけでも楽しい。
最後のページには紹介された商品などのHPアドレスや
連絡先も掲載されている。
本書を通読して感じたのは梅原さんは
人に向き合っているんだ!ということが良く分かった。
依頼主と切り結ぶとでも言うのか?
それが出来た時点で梅原さんは仕事をし、
そのつながりの温かさが本書を読むと伝わってくる。
デザイン案を出したら、幾らですか?と財布を出してくる人。
毎年、何度かに分けてお礼として、生産品を送って来る人など。
こうしてつながっていくというのは人生にとって本当に幸福。
毎年、野菜が送られてくるというだけで懸命にやってまーす。
ということは伝わって来る筈だから。