ほぼ日の就職論。
「ほぼ日刊イトイ新聞」は1998年に創刊。
今年で15年目になる。
ここには様々な記事と文章があり、膨大なアーカイブとなっている。
本書は、そこで書かれたいくつかの就職に、仕事に、はたらくということについて
書かれた言葉を編集部のスタッフたちが厳選し、
その言葉とともに
主宰者の糸井重里さんを中心に何人かの人に対談をしたものが掲載されている。
通して読むと、「はたらく」とは「就職する」とは
生き方を考えることにつながるのだな!と思った。
このことは、ほぼすべてのひとが言い方は違うけど同じ内容のことを話している。
「自分がいちばん大切にしているものはなんですか?」
その中に答えがある!と。
生き方と働き方は同じようなものであるという。
また仕事と遊びの区別がつかないような仕事が
本当はいちばんいいんじゃないかという言葉におおいに共感した。
では、そのような環境を自らどう作っていくのかも
「はたらく」ということなんじゃないだろうか?
誰かに言われてやるのではなく、今いる自分の立ち位置を踏みしめて
目の前に向き合い独自のものにしていく。
自らの意志と仲間のチカラを合わせて何かをやっていくということが
「はたらく」ということの本質なんじゃ?
他人と比較しながら就職活動をするのではなく、
自分が考える大切なことがきちんと守られ叶えることが出来る、
そんな仕事と出会うことが大切なんじゃね?
と糸井さんやその他の対談相手の方々がおっしゃっている。
そのためには自分をみつめることが大切だし、
与えられた環境の中で精いっぱいやることで
大切なことが叶えられる環境に変えられることも可能なんじゃないだろうか?
そんな、静かな勇気をくれるのが本書です。
就職活動やはたらくということはどういうことだろう?と思っている人、
働くことに不安を感じている人たちに是非、読んでもらいたい。
最後に吉本隆明さんの言葉と糸井さんの言葉を引用する。
「十年間、毎日ずーっとやって、もしそれでモノにならなかったら、
俺の首やるよ(吉本隆明 詩人・思想家)」
「自分にとって、本当に大事なことってなんだろう。
自分にとって、本当に大切な人って誰だろう。
このふたつを、本気で思っているだけで、
いい人生が送れるような気がする。(糸井重里)」
対談相手は、河野晴樹、しりあがり寿、金井壽宏、矢沢永吉など。