前座、林家扇。6月に二つ目に昇進予定。
女性の噺家さん。最近は女性も増えて来た。
金明竹の後半、上方男の口上。
ちゃんと練習しているようで普通に上手い!
喋り方や声色をどのように持ってくると効果的か?
ということを考えさせられた。
師匠は、林家木久扇。
開演時間となって19時過ぎからは二つ目の三遊亭粋歌。
「すいか」と読むらしい。
こちらも女性の噺家さん。
企業の総務部、人事課に7年在籍の後、
噺家稼業を始めたそうな。
OL経験を活かした新作落語。
「銀座なまはげ娘」。
トークショウで喬太郎さんが語っていたが、
女性噺家さんの女性の語り口がとてもリアルである、
ということ。
男が女性をやると、どうしても女形口調になり
台詞もそれ用の言葉となる。という解説にはうなずいた。
銀座の高級宝石店で働いていたOLが仕事を辞め、
アルバイトの面接を受ける、
報酬が意外といいのは秋田県の特産品を売る場所で
「なまはげ」の恰好をして店頭に立つというものだったから。
上手い!
寄席ではこの長さの落語はなかなか出来ない。
ので、こうした新作の演目をこうして公開することはなかなか出来ないと
語っていた。
続いて、同じく二つ目の、三遊亭ぬう主、
ぬう主のお師匠さんは円丈さん。
こちらも新作落語。師匠が師匠なだけに納得。
題名は「教え子は競輪選手」というもの。
飲む打つ買うという話から今回は「打つ」のギャンブルの話。
オープニングがいい。いきなり、中学の同窓会から始まる。
破綻がないように気をつけて作ったと言っていたが
確かに破綻がなく物語に吸い込まれ集中できる。
競輪場では選手へのヤジが凄いらしい。
それを効果的に使っている。
サゲまできちんと考えられており、
ぬう主のこの話には感心させられた。
そして上手い!
3人のトークショウで語っていたのだが、
これくらい面白い噺家さんですら仕事がないとのこと。
今回は喬太郎がこうして
新作をやるというようなことで上手い顔付けが出来ているのだが。
今後こうした顔付けを勇気を持ってやる落語会が
どんどん増えることを願うばかりである。
トークショウでは喬太郎さんが中心となり三人で語る。
3人とも、会社員経験者だったそう。
喬太郎さんが「あまちゃん」を録画して見るほど
はまっているというのを聴き嬉しくなる。
「あまちゃん」には何かを刺激する魅力がある。
トリは喬太郎の「極道つる」というもの。
これは演じ分けが難しいネタ。
組の親分や若頭、下っ端などを演じ分ける、
それ自体が面白く笑ってしまう。
北野武の映画「アウトレイジ」のお笑い版?
前座噺の「つる」という落語があるそうだが、
それを寄席で聴いた親分が若い衆にその話を聴かせるというもの。
若い衆が「与太郎」的な役を演じそのボケ具合が最高。
むちゃむちゃ笑った。
喬太郎さんはやはり素晴らしい。
立川談春、志の輔、志らく、そして柳家喬太郎は
僕の好きな四大噺家さんです。
この公演のチケットが前日電話予約でとれたのはラッキーだった。
新作落語はものを創るココロを刺激する。
そうしていろんなことを考える。
作・演出・出演がすべて一人の噺家の中で完結する芸術だからこそ
なのかもしれない。
この日も多くのクリエイターたちが会場にいらしてた。