あの、梅佳世である。
変な子どもたちの写真をたくさん撮り続けている写真家。
休日の朝からたくさんの人が見に来ており、
会場内は笑い声が絶えなかった。
家族連れが多く、いつものオペラシティの展示とは違う雰囲気。
梅佳世はいつも首からカメラをぶらさげており、
シャッターの瞬間を常に狙っている。
オートで撮影することも多いのだろう。
梅佳世は24時間カメラマンである。
これはある種の人には大変なことだろう?
仕事と日常の境界がまったくない。
梅佳世はそれが出来た。
いや本人がそういう生き方をすることが好きなんだろうなあ!と思った。
そこがアマとプロの違いなのかも知れない。
銀座線の車内から反対側のホームの男性を撮影したり、
駅のコインロッカーに集まるお年寄りを
撮影したり出来るのはまさに梅佳世ならでは。
梅佳世は、子どもと犬とお年寄りを撮影するのが好きである。
大半の作品はそういった人々が被写体になっている。
あとは中学校の女の子たちを撮影しているのもいくつかある。
共通しているのは性を超えたものを撮影しているということ。
「色気」とは対極の世界がそこにある。
あっけらかんとした幼児性とでも言うのだろうか?
そんな世界が拡がっている。
梅佳世のもう一つの特徴は家族の写真が多いということ。
場合によっては自らも被写体として登場している。
本展覧会で一番印象に残ったのは梅佳世の
石川県に住むおじいちゃんとおばあちゃんのところで撮影し続けた
十年間ほどの写真たち。
クロニクル形式で写真が展示されている。
その十数畳の小部屋には梅佳世の家族に対する愛が詰まっている。
おじいちゃんとおばあちゃん、そして飼っている
白い犬(柴犬?)と妹夫婦たち。
数年前、結婚した妹は妊娠し子どもが出来る。
その数年後おばあちゃんが他界する。
それらのすべてをそーっと見守り続けているおじいちゃん。
そんな世界がここで描かれている。
6月23日まで。