井上ひさし作、鵜山仁演出。
何と、劇場でお土産に山形のお米「つや姫」をもらった!
登場人物は6人。
ある村はずれの一軒家に住む、娘(福田沙紀)。
娘のことが好きな村のお殿様(藤井隆)。
お殿様にいつも付き添っている侍医(小林勝也)。
娘は許婚と結婚する。その夫の権ず(鈴木裕樹)。
二人の間に出来た娘(阿部夏実)そして家来(田代隆秀)。
井上ひさしの初期の戯曲。処女作とある。
この戯曲が「文部省芸術祭脚本奨励賞」を受賞した。
そういえば昨日、新聞を読んでいて
文化庁が芸術文化振興のための予算を近い将来
倍増するという計画があるそうだ。
井上ひさし24歳のとき。昭和33年だったそう。
井上ひさしの舞台だというので3時間以上になるのかな?
と思って劇場に行ったら何と上演時間が約80分とあった。
島次郎の絵本のような舞台美術。
書き割りみたいな背景があり
書き割り的な田舎の一軒家がある。
そこに娘が一人で暮らしているところからこの舞台は始まる。
福田沙紀演じる娘は多くを望まずいまの生活に満足している。
朝昼晩と倹約しながら少しだけご飯を食べる事が出来、
夜は縁側を開け放して、夜風にあたりながら風の音を聴き、
そして大の字になって寝る事の出来るスペースがあれば十分だと。
毎年のサクラの花が満開になる時期がアクセントになり舞台は進んでいく。
山形の里山の美しい風景に思いを馳せながら、
東京で働いていた井上ひさしはこの戯曲を書いたのだろう。
そこに、足の悪いお殿様がやってきて娘を嫁にもらおうとするのだが
娘は許婚(いいなずけ)と結婚するといい、うまくいかない。
権力で強引なことをしない、こういうリーダーもいいんじゃないか?
個人的に思った。
娘はその後、結婚し娘をもうける。
夫は病の床に伏せっている。
そこに、またお殿様と侍医がやってくる。
庶民と対話しながら村を治めていくには、
どうあるべきか?
という井上ひさしが生涯テーマとした
ユートピアについての原初の想いを見るようであった。
お殿様がふられたショックで「うつけ」になり記憶がなくなる?
という唐突な設定に少し違和感をもったのだが、
いかがだろうか?
荒唐無稽すぎる?これがのちの
「ひょっこりひょうたん島」につながるのか?