60分ほどの小品ながら佳作。
この時間にぎゅーっと人生の様々な側面が凝縮されている。
猫のホテルの千葉雅子とMONOの土田英生が下北沢で飲んでいて
一緒になにかやりたいねということがこうしたかたちで実現した。
小竹向原の駅を降りて細い住宅街へ続く路地へはいる。
アトリエ春風舎とは逆の方向に行くと、ファミリーマートがある。
ファミリーマートを左へ行ってすぐのところに
このサイスタジオコモネAはある。

1階は自然食のレストランカフェ。白熱電球の光がやさしい。
劇場はその地下にある。
劇場に行く前にお腹が空いたので、
ファミリーマートの少し先のお蕎麦屋さん「長寿庵」に入る。
地元の人でにぎわっていた。
ヒレかつ丼ともり蕎麦のセット1000円。
味噌汁がついていたのだがさすが蕎麦屋
カツオ出汁が効いていてうまい。
舞台は3尺くらい高くなっている。
下手に橋かがり的に玄関へ続く廊下があり、
8畳ほどの部屋は能舞台のようでもある。
奥には窓があり、
地方都市にある重化学工場みたいなものが見える。
少し高台になっている場所なのだろう。
千葉雅子は元組長の妻。土田はその組の若い衆だった。
組長が抗争で殺された日。二人はホテルにいた。
そのまま、二人はすぐにその街を出る。
わけもわからなく列車に乗って地方都市に流れそこで二人、生活を始める。
土田は完全なヒモ生活。
千葉はここでスナック?を開業している。
あれから20年の月日が経ち、千葉は50代を迎え、
土田は40半ばを迎えた。
そんな状況が二人の会話から見えてくる。
本作は、そんな二人のある日の1時間を描いたもの。
千葉がお店に出勤しようとしている時、
何故か土田は怒っている。
その理由が千葉はわからない。
そうしてたわいもない会話が続いていくのだが
そこから見えてくる関係についていろいろと考えてしまう。
二人の20年前の関係。
いつか組のものが来て殺されるかもしれないと思って生きて行くこと。
二人の現在の関係。
土田はまるで小学生のように年上の女の前でふるまう。
それを受け容れながらもモンモンとしている千葉。
二人の間の20年は二人の関係を変えてしまったのか?
男女の関係から母子のような関係に変化していったのか?
千葉はそのことに自覚的であり、土田はそのことに無自覚である。
後でいろんなシーンの意味が実はこうだったのでは?
と思えてくる。
これはある種、上質なミステリーでもある。
男女関係の深い洞察に基づいた喜劇?
二人の会話はたわいもなくおかしい。
土田は毎日のビールとおせんべいとクロスワードパズルで幸せを感じられる。
一方、千葉は…?
千葉・土田という二人の劇作家が話し合って
こうした物語にしていったのが興味深い。
価値ある1時間だった。
演出助手を青年座の須藤黄英が行っている。
12日まで。
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