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玉置玲央という俳優がいる。 「柿喰う客」の中心メンバーの一人でもある。 本作は4年前に、その玉置が立ち上げた カスガイという何らかのパフォーマンスを行おうとして旗揚げされたユニット。 4年前の初演「リビング」は 王子小劇場で上演され「佐藤佐吉賞」の各賞を受賞したらしい。 それから4年。オリンピックやワールドカップのよう。 ![]() 玉置は今回脚本をブルドッキング・ヘッドロックの喜安浩平に依頼した。 喜安の脚本は近年、映画「桐島、部活やめるってよ」などで注目されている。 もともと喜安は筆力がある作家。 玉置の原案をこのように料理して2時間近くの恐ろしい世界を描き切った。 ああ、怖かった。 ある閉鎖された空間や集団に長くいるとその場所の価値は独特のものになる。 その場所その環境でしか機能しないルールができ、それが絶対となる。 カルト集団とはそのような集団のことを言うのではないか? こうした集団についての演劇をやり続けているのが 松井周の率いるサンプル。 本作はそのサンプルをさらにカルト化し強烈にしたものと言える。 ポツドールの三浦大輔が描く閉塞感のある世界と似ているところもある。 いづれにしてもこうした表現は演劇じゃないとできない。 それを知りつくした喜安の戯曲を、 玉置の演出がさらに過剰にしていった。 カルト集団ではよく集団リンチが起きる。 いけにえを差し出すことによってカルト集団の秩序が保たれる。 連合赤軍事件やオウム真理教事件などの背景には そうしたものが確実にある。 見ているときに、若松孝二監督の映画「実録・連合赤軍」を思い出す。 あの山荘での自己批判の連鎖と同じようなことが 目の前で行われるのである。 ![]() 10人の製紙工場の労働者とその工場を運営する社長(玉置玲央)。 工場の労働者はすべて前科があるもの。 刑務所から出てきた彼らの受け入れ先としてこの工場が機能している。 全寮制のこの工場をカリスマ的な権力を持った社長が支配する。 労働者たちは彼の発言が絶対であり、 その不条理な発言に対してもじっと我慢を重ねている。 この工場で事件が起きる。 同じ工場で働いていた女性従業員が寮の自室で死んでいるのが発見された。 彼女は殺されており左手首が切り取られていた。 社長は言う。彼女を殺した犯人をここに集まった10人の中で決めてくれと、 そして犯人となった人は遺書を書いて自殺をしてくれと言う。 凍り付く会議室。そしてしばし続く沈黙。 ![]() ![]() 舞台のオープニングで10人の従業員たちが自らの過去の犯罪歴を 一人ずつ吐露していく。大音量の中で大声で語られる彼らの犯罪歴。 その大音量のシーンと対比されるかのように描かれる会議室の無言・沈黙。 社長の無理難題に彼らはいかに応えていくのか? ビジュアルが素敵な俳優たちをよくこれだけ集めたなと感心した。 玉置玲央の徹底的なこだわりを感じる。 そして、すごい集中力で物語世界を見せていく。 観客は唖然としつつも、その世界を見逃さないようにと 瞬きを忘れるように舞台に見入る。 そんな密度の濃い舞台だった。
by haruharuyama
| 2013-06-23 09:27
| 舞台
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