豊田商事の事件を覚えてる人は、
あのマンションの中に入って会長を刺殺するするという
ニュース映像は忘れられない記憶として残っているだろう。
本作品はあの豊田商事の事件を基に、
社会派の若き劇作家、野木萌葱が「青年座」に書き下ろしたもの。
野木の描いた社会派の戯曲というだけでそそられる。
こうした傾向の戯曲を書く初期の劇作家だと山崎哲だろう。
ちょうど、豊田商事事件の起きた1985年あたりは
小劇場ブームでもあり、山崎哲もその中の騎手の一人として
メディアに取り上げられていた。
「広告批評」などの雑誌にもそのような特集が組まれていたのを記憶している。
最近では、こうした社会問題を積極的に戯曲化しているのは、
野木のほかに、燐光群の坂手洋二、二兎社の永井愛、
そしてトラッシュマスターズの中津留章仁など。
社会派ドキュメント的なものが好きなので
これらの作家の舞台は極力見に行くようにしている。
WOWOWでもこうした民放オンエアーの枠に収まりきらない事件を
ベースにしたドラマがいくつか作られヒットしている。
NHKでは「オウム真理教事件」や「グリコ森永事件」、
そして「尼崎殺人死体遺棄事件」などがドラマ化されている。
小説でも松本清張や城山三郎などが
こうした社会派の事件をベースにして創作をしている。
事実は小説より奇なりとはよく言ったもので、
その事実を作るものまさに人間。
金(きん)への投資という、人間の金と欲望について
本作では徹底的に突き詰めて描いている。
その欲望を金に変える詐欺的なビジネスモデルを考えた会長が
お金でものすごく苦労した幼少時代を過ごしたらしい。
その話を会長は幹部に話す。
金にまつわる事実から負の復讐の連鎖がはじまったともいえる。
そして、社員たちはやったらやっただけの報酬をもらえるという
欲望に突き動かされ、その欲望が倫理観を吹き飛ばす!
その欲望と同時に、社員が一人暮らしのお年寄りの家に行って、
彼らの寂しさを埋め、その代償として金という象徴を購入する。
ある種とても寓話的な物語でもあるといえる。
極度な緊張感のある舞台は実際の年齢に近い
俳優の身体とともにリアリティのある舞台となった。
寓話的リアリティという矛盾が共存できた舞台。
お年寄りは、この金の投資会社に、
何らかの寂しさを埋めるために投資したという
もう一つの事実が肌を通じて伝わってきた。
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