近年、ビッグデータ、ビッグデータといろんなところで騒がれている。
IT化が進化してたくさんの個人情報のデータが収集できるようになり、
そのデータ履歴をもとに、その個人の好みや性向を特定し、
商売につなげていこうという考え方である。
クレジットカードやTカードなどはまさにそのデータが欲しいために
ポイントをつけるのであり。
グーグルは検索性向などを収集するため無料でWEB上の様々な
サービスを提供する。
実際、グーグルで分析してリスティング広告を展開したり、
ディスプレイ広告やユーチューブでの最初に出て来る
動画CMを流したりするようになってきている。
こうしたWEBでの展開も新たな広告のカタチだろう。
先日、有楽町国際フォーラムで行われた
ad-tech Tokyo 2013 は、
まさにそうした関連の企業が集合した場所だった。
本書の副題は
「データ社会を生き抜くための武器と教養」
とある。著者は1981年生まれ。30代前半!
こうした世代がこれから新たな世界を作っていくのだろうか?
本書は書店などでもとても売れており
売上ランキングの上位に顔を出していたので覚えている方も多いのではないだろうか?
最初に書かれている西内さんの文章が強烈だった。
統計学は最善最速の正解を出すという項目なのだが、引用する。
日本の多くの会社は、自給800円でアルバイトする若者が
仕事をサボることは叱るくせに、時給換算でその何倍もの
人件費を支払われている人間が会議で不毛な時間を
過ごすことに関しては無頓着である。
経営判断や意思決定が長年の経験や勘だけで行われるための長々とした会議は意味がない。
意味あるものにするには統計学を駆使して
意味のあるデータを取り分析すること。
それは企業にとって違うのかもしれないが、
そのためには統計学というのが
強力な武器になるというのが著者の主張である。
西内さんは、東大医学部で生物統計学というのを専攻されており、
その経験を活かして調査し戦略を立案するコンサルティング会社を行っている。
生物統計学とは、よく新聞などで
タバコは肺がんによくない、統計が実際に出ています、
とかコーヒーは肝臓にいいとか悪いとか?
そんな発表が時々新聞などで報道されているのを見た人もいるだろう。
そうした、とても難しくてあいまいな部分に属するところで
いくつもの統計データをとり最終的に発表できるところまで
推論を詰めていくという仕事みたいなのだ。
生きることにかかわるだけに経済や商売よりも
さらにシビアな統計が求められる。
その生物統計学を実社会のビジネスに応用しようというのが本書。
僕自身、数学や統計学の知識がないのでどれだけ理解できたのかわからない。
調査をするための指標などをどのように設定するのか?
という仮説を立てることが実際の運用者に求められるのだな!
ということだけはわかった。
良く通販業界でA/Bテストが実際に行われているが
そのAとBをどのようにするのか、そのときの言葉は何が適切なのか?
などということを極力コストをかけないで
短期間で誤差を少なく正解へ向かう方向性を知ることができるようになるらしい。
その指標を考えるのは当事者であり現場担当者である。
自分に置き換えると、これからその指標を考え始めなけれなならないのだな!
ということはよーくわかった。
スタートはこれからだ。