古い中古マンションの1階に住んでいる。
昭和53年(1978年)建築なので今年で28年目になる。
僕たちがここに越してきたのが1991年。
まだまだバブルが残る頃だった。
それから僕たちのマンションの価格は2000万円以上、下落した。
何のとりえもない大規模マンションではあったが、
専用庭が気に入っての選択だった。
引っ越してからもう15年目になるが、
僕たち夫婦は共働きでほとんど平日は家にいない。
必然、庭の手入れもおろそかになる。
年に2度ほど、大きな草刈のようなものはするのだが、
それ以外は自然の法則に任せている。
雑草が生えた空き地となんら変わりはないのだが、
窓外にその雑草と時々咲くいろんな花々や樹木にやってくる
小鳥たちを眺めていると少しだけココロ豊かな気分になる。
引っ越した当時は、七輪を庭に持ち出して、
肉や魚を焼いたりしていたのだが、最近はそんなこともせず、
ただ窓外の四季の庭を眺めているだけである。
今年はツツジが咲いたね。昨年は咲かなかったのに。
杏の実が大きくなってきたね。などと話している。
庭の一部に妻の父親が作った焼き物のオブジェを置かせてもらっている。
また同じく焼き物のモビールの人形はサルスベリの木の枝に、釣り糸で吊るしてある。
雑草の間からそれらのものが時々顔を出して、僕たちを楽しませてくれる。
妻は、他のところに引っ越して見たいと時々僕に話すのだが、
僕はこの風景が気に入ってしまっており、
結果、同じところにずーっといることになってしまっている。
住居面積は約60平米。
二人で暮らす分には、丁度いいと思っている。
時々、棚を整理してはビデオテープを処分したり、
本や雑誌を古本屋に持っていったりして、
部屋が荷物で溢れかえるのを何とかしのいでいる。