横浜美術館は横浜市が中心に運営している。
市営美術館としては大規模で、びっくりする。
ただし、運営自体は大変であることを新聞のコラムで読んだ。
それは、どの街の文化芸術関連施設にも言えるのだろう。
ミュージアムカフェは洒落ていて落ち着いた感じがする。
以前、ここで「奈良美智展」を見た。とても素敵な展覧会だった。
みなとみらい線が開通して一気に人の流れが変わった。
ここは、みなとみらい駅からすぐの所にある。
この日は、天気がいいことと自宅からのアクセスのし易さとで、
JR桜木町駅から、ムービングウオークに乗ってやってきた。
海から吹き付ける風が強かった。
ホームページから割引クーポンを印刷したものを持参。
1100円の入場料が900円になる。
大きな吹き抜けになったロビーのエスカレーターを利用して、2階へ上がる。
そういえば、ここで平田オリザの主宰する「青年団」の舞台
「東京ノート」を見た事を思い出す。
「東京ノート」は美術館が舞台になっている。
イサム・ノグチは父親が日本人(詩人)、母親が米国人だった。
何度か日本を訪れている。そして暫く日本に住んでいることもあったようだ。
84年間の人生。芸術家の寿命は平均的に長いらしい。
身体をつかってモノを作ったり描いたりということが、
長寿に影響しているのかもしれない。
ちなみに物書きの寿命はそれと比べてずいぶんと短いらしい。
イサム・ノグチの作品群を見て改めて思うことがある。
量感というものを感じることが彫刻やオブジェを見る際に
重要なことになるのではないだろうか?と。
ぼってりしたブロンズや石の質感と量感。
薄っぺらい鉄板やアルミ板、真鍮やステンレスのオブジェ。
絵画とは違いそこにあることから感じ取れることが多々ある。
また、特徴的なのは、独特な曲線だろう。
今の時代ならあの曲線を「イサム・ノグチ曲線」としてデータ化してしまうのだろうか?
それだけでは、推し量れない何かがそこには確かに存在する。
その存在感を感じるのは、
美しく撮影され印刷された写真集を見るだけでは不十分である。
実際に自分の目で見て、感じて、出来れば触れることによって
豊かなるものを身体に刷り込むことこそが
「イサム・ノグチ」を鑑賞するということにつながるだろうと確信した。