脚本・演出 ブラジリィー・アン・山田。
10年ぶりの再演だそうである。
ある6人の町工場の会社の社員たちとその仲間が海で遭難し、
救命ボート(といっても4人乗りくらいのレジャーボートなのだが)に
その仲間たち8人が乗り込み狭いゴムボートの上を漂流しながら
救助を待つということを描いたもの。
野田秀樹の作品で「赤鬼」というのがあるが、
本作はまさにブラジル版「赤鬼」かも知れない。
もちろんブラジル版なので荒唐無稽で笑える。
奇妙な空気がそこに流れる。
どうしようもない人間たちのどうしようもなさが狭いボートの上で次々と明かされる。
その明かされ方がまた面白い。
究極の状況で彼らは理性をもって何とか困難を乗り切ろうなんて思わない。
とにかく欲望に忠実に何とかこの場を乗り越えて生きていかなければならないのだが・・・。
3組の男女カップルと街工場の社長と経理の女性の8名の俳優。
唯一の街工場とは関係のない
ゲストが新入社員の美羽(小川夏鈴)の恋人(諌山幸治)。
彼は何とこうした究極の遭難を二度経験しており、今回が三度目となる。(W)
こうしたブラジルの持ち味である荒唐無稽な展開が物語世界を
笑いに包みながらぐいぐいと引っ張っていく。
美羽役の小川夏鈴は、満島ひかりに似ている。
そして並行して描かれるのが、性病の発症である。
これまた荒唐無稽な「竹毒」という性病を発症してしまった
元グラビアアイドルだった佐々木千恵。
この病気は性交渉などを行わないと感染しないという前提で物語は進み。
あの人とあの人があんなことに・・・。
みたいな関係が性病の発症に伴って明らかになっていくというもの。
狭いボートの上でのサバイバルと狭くて濃い人間関係から次々と発症する性病。
この二つの濃い関係がどろどろと渦巻きながら物語は破天荒な展開で進んでいく。
舞台は海原に漂うそのゴムボートのみ。
それを観客は四方から鑑賞する。
俳優との距離がとても近く、体当たりの演技を見て、こうしてよく楽日まで
怪我がなく乗り切ったなあと俳優の身体に感心した
日曜日の夜の出来事だった。


htmx.process($el));"
hx-trigger="click"
hx-target="#hx-like-count-post-21052712"
hx-vals='{"url":"https:\/\/haruharuy.exblog.jp\/21052712\/","__csrf_value":"63ebf0c689bfac4dd0d88c51765c9cb5b72ad7a0bedcb40f5415c5a98b7ca243edd44dbd4de9e0a7b3c624285af85871069b995c4538a9dde8a855656d2360b2"}'
role="button"
class="xbg-like-btn-icon">