リミニ・プロトコルの公演を見ると毎回、
フェスティバル・トーキョーに感謝したい気持ちでいっぱいになる。
残念ながら昨年はリミニの公演がなかったので
2年ぶりのトーキョーでの公演。
フェスティバルトーキョーと銘打ったタイトルをまんま活かしたかのような
「トーキョー」の「今」をテーマに真正面から取り組んだ作品だった。
「世界がもし100人の村だったら」という本をご存知の方も多いだろう。
本書は、世界人口を100人として様々な世界の事象を100%の割合で
統計的に見るというもの。
100の中の割合で見ることによって世界を相対化してみることが出来た。
アジア人は6割で
6%の人が世界の富の6割を保持しそれがすべてアメリカ人である
などと言うことが書かれている。
本作の「100%トーキョー」では東京23区に住む100人が
実際に舞台に登場し、今のトーキョーの姿をあぶりだすという試み。
まず初めに統計学を専攻されている明治大学の教授のところに伺って
話を聴くところから今回のプロジェクトが始まったらしい。
東京都の国勢調査などからわかる人口統計を基に
23区に住んでいる人たちを各区に割り当てる。
例えば、千代田区は1人。という結果が出ている。
そして、さらに年齢構成も人口統計を基に集めている。
19歳までの未成年がとても少ないんだということが良くわかる。
少子高齢化社会に向かっているということが
この作品を通して目の前の出演者のボリュームを通して伝わってくる。
この100人を集めてこうした舞台作品に仕上げていったのは
並大抵なことではできなかっただろう。
その仕事にまずは感心し、その仕事がこのような形で
作品となり
みんなの気持ちを動かすということに感動した。
制作を勤め上げた戸田さんは
昨年、映像テクノアカデミアに通っていた。
その戸田さんが制作の中心となってリミニプロトコル(3人の演出家と1人のドラマツルグ)の
面々たちと日本人のキャスティングスタッフ、その他の制作スタッフと
この舞台を作り上げたことが本当にうれしかった。
この経験は生涯の自信となっていくことだろう。
むっちゃ大変だったということがこの2時間弱の舞台を見るだけでも
とてもよく伝わってきた。
そして、その努力が多くの人に深く届いたことも事実。
娘に勧められて、翌日の公演を見に来ていた有澤さん。
帰ったら妻の仕事を手伝ってあげるといいながら中抜けして
やって来た上河さんにも劇場でばったり。
こうした人たちすべてがこのイベントで起きたことをずーっと記憶の底に
持ち続けていくのだろうなあ!と思った。
100人の人たちがそれぞれの自己紹介をするところから始まる。
そしてその方々がどこに住んでいるのか?年齢構成は?男女比は?
さらに仕事に関して、政治的な考え方、宗教などのことについての質問が投げかけられ
100人の人たちがそのたびに動く。
見ている方は視覚的に自らの身体を通じてその統計の結果を感じることとなる。
途中、観客席に向かって私たちに問いかける。
手を挙げて観客たちも応える。登場の100人に向かって質問がありますか?
と聴くと、本当に多くの方が手を挙げ、質問が止むことはなかった。
市井の普通に暮らしている人が舞台に立つことによって何かが変わり
見た人もそれで何かが変わる、もちろん作り手も。
そうした活動こそが根源的な意味での
「演劇」という活動なのではないのかな?と本作を見て思った。





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