脚本・演出、ペヤンヌマキ。
ブス会はいつも満席になりなかなか見ることが出来ない。
実際、前回のブス会は当日券にトライするも入場することができなかった。
ペヤンヌマキこと溝口監督はAVなどの監督を長くされている女性。
女性が女性を描くというのがブス会の最大の特徴ではないだろうか?
女だからこそ女をある意地悪さを持って描くことができる。
女は女に対して夢とか幻想とかのロマンを求めない。
いきおい現実的になり、この舞台でもその現実主義を提示される。
とともにペヤンヌマキさんはAVを長年創りつづけているだけあって
男がどのような目線で女を見るのか?ということを良く知っている。
その難しい要求に応えて紅一点の「男たらし」の女を内田滋が演じる。
内田がある通信販売の会社で働くことになる。
その初出社の日から舞台が始まる。
通販会社の社長=古屋隆太の造形がいい!
あああ!こういう人いるいるというような人物像を造りあげる。
すこし胡散臭い感じの商売を初め大きくドカーンとやりたい!
という欲望のかたまりみたいな男。
彼は2度離婚を経験していて、今は高校三年生の息子と一緒に、
この事務所の上の階に住んでいる。
この通販会社で働いているのが営業マンの中年男と若くてチャライ男性。
若い男は元ホスト。ホストでは食えなくなってこの会社で働き始めた。
さらにもう一人アートディレクターの50代か60代の男が出て来る。
高校生の息子以外は何かイチモツを抱えているような胡散臭さが
この舞台を支える味となっている。
内田はここに出て来る男たちとある関係を持ち始めるのだが
男に媚びるような目線や仕草がとてもいい!
普通の男がこれをみたら簡単にいっちゃうのでは?
というような設定がいくつも出て来る。
そして内田はその男たちの間をすり抜けながらたくましく生きていく。
実はこの中で内田演じる女性が一番賢くて逞しいのでは?と思わせる。
セクシーなシーンも満載のこの舞台、
ペヤンヌマキだから描ける独特の世界観のある作品が完成した。
2時間弱まったく退屈しない。暗転の際のクラシックの音楽もよかった。