オスカープロモーションにお笑いの部門があることを知らなかった。
ヴェートーベンはオスカー所属のお笑い芸人さん。
ひょんなことからヴェートーベンと知り合うことになり、
単独ライブがあるということで4月19日(土曜日)の夜に
西新宿の駅近くのホールへ!
花が飾られ、客席もほぼ満員。
番組出演も増えているヴェートーベンは16年目を経て、
これから新たなステージへ進んでいけるんじゃないか?
そんな予感をさせてくれるライブだった。
前説の後、ヴェートーベン登場。映像を挟みつつ、ネタを披露する。
漫才2つにコントが3つ、お客さんと一緒にやる企画が一つ、
そしてもはや、名人芸の域に達しているのじゃないか?と思える
「リズム」と呼ばれる。音楽のような体操のようなヒップホップのようなネタ。
「ありそうでなーい、いえい、ありそーでなーい、いえい♪」
と小気味のいいリズムに乗って、ありそうでない短いギャグのネタが
何十個も繰り出されるというもの。
この芸は近い将来何らかのカタチで広く
認められるといいのにと思うのだがいかがでしょうか?
広島出身のこの二人はいまや芸能活動を開始して16年になる。
オープニング映像で過去の写真などが上映されたのだが
2012年ごろに二人の顔付が変わってきている。
いわゆるいい顔になっているのだ。
「作・演出」の青井はメガネとヒゲがトレードマークになっていき
絶妙な突っ込みを見せる「低・身長」の久保は顔に突っ込みの責任が出て来ている。
この絶妙なコンビが繰り広げるコントは
おじさん世代にうけると彼らは公言しているが、
会場は若い女性もたくさん来ており、
この芸をさらに深めていくと多くの観客が笑えるものになるのじゃないか?
特に、話の状況の変化で見せていくお笑いの方法というのがあるのだが、
(文脈で笑わせていく、というような宮藤官九郎や三谷幸喜の仕事の秀作などを見よ!)
その領域に踏み込んでいけば、笑いのうねりが起き、
ライブでもどっかんどっかんと受けること間違いない!
その片鱗を今回のライブで一番感じたのが、田舎の高校の先生と
ツッパリの生徒とのコントだった。
先生の喋ることばが「女とやるには、持てるには。」
というテーマだけに絞って生徒に話しかけるので、
たばこを吸っているのを咎められた生徒の方がまともに見えてくる。
青井演じる超エキセントリックな先生のぶっ飛び方が不条理でいい!
次回は下ネタではない新しいコントを見てみたい。
また、広島のお好み焼き屋さんを番組が生放送で取材中継するというネタがあった。
リハーサルでやったことが本番になると・・・・!というもの。
この構造は古典落語などでも、とても良く出てくるお笑いの構造。
同じことを繰り返しながらそれがずれていくことによっておかしみが倍増する!
というものなのかな?と思ったら、
ヴェートーベンのずらしがキャラのずらしにシフトされたものに変化していた!
キャラに特化したものは先生をはじめいくつかあるので、
ここでは、話の構造だけがずれていくことだけで笑いをとるものを観たかった。
その方が新たなヴァリエーションを見ることが出来てよかったのでは?
と感じたが、いかがだったでしょうか?
とにかく、これからの伸びしろを感じるライブだった。
キャリアに裏付けされた息の長い芸人を目指してがんばってくださああい!