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京都は北白川に京都造形芸術大学がある。 ここには何と大学なのにとても立派な劇場がある。 この劇場が完成してしばらく経つのだがなかなか機会がなく 今回やっと足を運ぶことができた。 この大学の研究生でもあり卒業生でもある、 木ノ下裕一(何と29歳!)が監修・補綴を行い、 木ノ下さんの大学での3年先輩の杉原邦生が演出と舞台美術を手掛ける。 ここに来たらやっぱり「天下一品 総本店」 学校から数分のところに総本店はある。 北白川だから空いているだろう、という見込みで来たら あにはからんや10人近くが並んでいる! しかし、行列を仕切っているアルバイトの人が優秀で まったく混んでいることを感じさせないくらいの客裁きで 次々と客を店内に入れていく。 こってりの大盛りネギ多めで!と注文。 総本店はやはりうまかった。 味が安定しており、京都のラーメンは実はこってりしているという 印象を与えた記念すべきラーメン店でもある。 高校時代から食べているから、それこそ、30数年間、 折に触れて食べ続けていることになる。 食事後、春秋座に。 大きな階段を上がったところに劇場のロビーがあり、 喫茶コーナーと学生のたむろしているスペースと劇場入り口が 混然一体となっている造りがいい。 劇場内にも広いロビーがある。 劇場は昔の歌舞伎小屋を模したものなんだろうか? こじんまりとしているのだが提灯が下げられ見た目も 花道のない歌舞伎小屋のよう。 平成中村座の仮設小屋にも似たこじんまりした感じが親密感を感じさせる。 今回の「三人吉三」はまずは通しで全編を読むところから始まり、 1年がかりで今回のような構成脚本にしたとアフタートークで聴いた。 それくらい丁寧に考えられており手間がかけられている。 稽古は1か月半近くを要したとおっしゃっていた。 まずは過去の「三人吉三」の映像を見て完コピするところから始めるらしい。 そうして俳優の身体が歌舞伎役者の身体と違うんだということを 俳優自らが認識してあらたな演劇を作っていく というスタイルで稽古は進んでいくのだそう。 とはいえ、七五調の美しい台詞はそのまま読まれ、 そうではない現代口語の部分と身体の動きの部分を 杉原さんが修正していく作業が行われる。 これだけ手間がかけられているのにもかかわらず、 公演日数が10月11日と12日の何と二日間! とてももったいないような気が。 とにかく 貴重なプレミア公演を見ることができた。 上演時間はいろんなところを削って 現代劇のようなテンポのいい演出になっていても5時間!(休憩2回計30分含む) 今回の構成で一番の特徴的なことは、現在の歌舞伎公演では「三人の吉三」だけの 物語を中心に語られるのだが、この木ノ下歌舞伎では、 木屋文里とお坊吉三の妹・花魁「一重」との恩愛譚がきちんと取り上げられ 丁寧に語られる。 ある年のお正月あたりから1年後のお正月までの1年あまり。 文里と一重との恋の顛末が吉三のエピソードと並行して描かれる。 この二重構造を描くことにより この物語の持つ本質的な価値がより明確に浮かびあがって来たのでは。 その集大成が第三幕にある。 文里の子を産んだ一重は産後の病のために床に臥せっている。 そこに寄り添う文里。文里の実の妻=おしづ (何と、青年団の舞台などでおなじみの兵藤公美が参加!) が息子を連れて大雪の中、その家を訪ねるシーンがいい。 おしづはすべてを赦し受け入れる。 文里の不貞を受け入れ、文里に愛された一重を受け入れる、 そしてその二人の間にできた赤ん坊を受け入れ自分たちで育てようと決めたのだ。 兵藤公美が一重役の熊川ふみを抱きしめる場面がいい。 ここに何か聖なるものを見るような気になった。 時は終末観ただよう時代のまっただなか。 並行して、悪事三昧だった「三人の吉三」は自らの命を捨て 他人のためにお国再興のために動き出す、 おしづ、文里、一重のシーンの後に 三人の吉三たちが戦うシーンがある。 まるでハイスピードで撮影されたような美しくも悲しいシーン。 贖罪の意識が他人のために命を賭けることによって浄化していく。 美しい動きと照明そして音楽が劇的さを倍加する。 このおしづが赦すシーン、そして、三人の吉三が他人のために イノチを賭けて戦うシーン。 これが並行して描かれていることで見ている側も 多くのことを感じるのでは? 幕末の江戸はそうした人たちが懸命に生きていた時代でもあったのだろう。 そして、私たちの祖先にはこうした「ふところの深い人たち」が たくさんいたのだということを改めて教えてくれることとなった。 河竹黙阿弥をこうして読み込んで提示してくれて木ノ下歌舞伎に感謝。 京都国際舞台芸術祭2014の一環。
by haruharuyama
| 2014-10-13 11:29
| 舞台
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