ナイロンのホームグラウンドとでもいうべき
本多劇場で久々にナイロン100℃新作の本公演。
台風が来そうな予感の休日の昼だったので
当日券のお客さんがこなかったのか前方の左右が空いていた。
そのほかはナイロンファン、大倉ファンなどで埋め尽くされる。
KERAのいつものシュールでブラックで不条理な笑いを
こんなに多くの人が受け入れ笑っている。
ナイロンの笑いはKERAさん独自のものであり、
そのあまりに不条理な会話を持続させていくのは
俳優のチカラでもある。
まったくわけのわからない会話が本作でも頻発しとても楽しめる。
ああ、こう来たかあ。と笑っていると、まったく別のベクトルから
違う笑いがやってくる。自由。
あまりにも自由さがKERAの最大の特徴であり、ナイロンの最大の特徴。
主催者のプロデュースサイドの最大の役割は
その自由さをどれだけ拡げてあげるか?にかかっているのだろう。
優れた公演が成り立つにはプロデュースをどうするかという視点は欠かせない。
そして、いつも思うのは「大きなふところ」が大切だということ。
決して「ふところ」は「お金」ということではない。
「予算」がない、なら、ないなりに工夫しながらも
作家・創作者がいかに自由に創作活動をするのか?
そういう環境をどうやって作っていくのか?ということが
大切なことになるのではというようなことを考えていた。
舞台はある雑居ビル?の屋上。
小さなビルやマンションが乱立したような場所で、
屋上の向かいには別のビルがあり
上手にも別のマンションのベランダが見える。
ある会社でなんだかわけのわからない金融商品を販売している会社。
お客様と寝てもいいから仕事を取ってこいというむちゃくちゃな会社である。
その会社の社長が何日か前から行方不明になっている。
不安そうな社員たちだが、その不安の中でも日常は続き、
みんなはいつものように雑談をしてお昼休みを過ごしている、
というところからこの舞台は始まる。
客演が4人。まずは、鈴木杏、彼女は大倉孝二と同じ会社で働く大倉の妹の役。
そして、かもめんたるの二人。会社の若手を演じている。
そして山内圭哉。山内は「良い刑事」の役でシュールさと不条理さを
これでもかと強調した役を演じている。
さらに一人二役で
隣のマンションに住む明らかにヤクザの友人がいる関西男で
鈴木杏の恋人役も演じている。
山内さんはナイロンの俳優ではないが、
ある瞬間、カチッと鍵が合うような瞬間が来て、
そうなると俄然空気が変わり笑いが起き、舞台自体が盛り上がった。
KERAはいろんな不条理パターンを書いており
いくつかの文脈の中で実験しているのだろうか?
いくつもの不条理会話パターンを体験することができる。
そして今回の公演で特徴的だったのが関西弁の使い方。
KERAの舞台に関西弁はあまりないのだが
山内がキャスティングされているのでこてこてにしようか?と思ったのか?
この舞台のそもそもが「豊田商事の事件」などを
参考にしているからなのかは、わからない。
峯村リエがあれだけ関西弁を早口で語れるんや!と驚き。
鈴木杏が関西弁で「ゾンビ」と言ったところはなぜかとても笑えた。
喜安浩平は警備員を演じる。
そして峯村リエ、犬山イヌコ、村岡希美などのナイロンのベテランたちの
会話がやはりナイロンらしくていい。
村岡は「花子とアン」にも出演し意地悪な華族の妻を演じていたが、
今回はメガネをかけボブヘアのかつらで独特のキャラが際立っていた。
19日まで。その後九州、大阪、新潟。



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