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永井愛が坂手洋二のジャンルへ進出か? 社会派劇作家、永井愛誕生!そんなことはない。 永井愛のスタンスは変わらない。 昨年、話題となった「歌わせたい男たち」は未見だが、 「君が代」を卒業式で歌うこと、歌うために全員起立して歌うことなどの 問題を面白く可笑しく描いた秀作だと言われている。 永井愛の戯曲は実はこのように社会的な問題を扱ったものが多い。 「話し言葉の変化」をテーマにした「ら抜きの殺意」、 「現代における女性の地位獲得」をテーマにした、「萩家の三姉妹」、 「リストラ問題やアジアの留学生問題」をテーマにした「こんにちは、母さん」などなど。 テーマというものを非常に大切にしている世代でもある。 そのことが僕たちにわかりやすく伝わり、 多くの人々のココロをつかんでいるというのは事実である。 若手劇作家や現在のテレビドラマでは 滅多に描かれなくなったものを描こうとしている。 それが「二兎社」を立ち上げ、舞台にこだわり続けた、 永井愛の意地みたいなものだろう。 舞台でしか出来ないこと、伝えられないことは確かにある。 同じ兎年で「二兎社」を一緒に立ち上げた、 大石静はテレビドラマの世界に行き脚本家として今も、一線で大活躍している。 彼女が脚本を書いている「功名が辻」を毎週、見ている。 「命のお持ち帰りこそ、功名にございます。」という、 仲間由紀恵の決め言葉が忘れられない。 舞台は鉄工所の工場の中。工作機械は取り払われ、 大きな丸いテーブルが置かれている。 鉄工所の社長の好意でここを格安で借りているのだろう。 ここが、NGOグループ「ピース・ウインカー」の事務所である。 2003年から2006年までの話。 2003年2月、イラク戦争に対する、反戦デモの翌日からこの舞台は始まる。 アメリカ軍がイラクに攻撃を開始したのはこの年の、3月20日。 チェルフィッチュ・岡田利規の舞台「三月の五日間」でも同じような状況が描かれる。 描かれ方が全く違うので興味深い。 第二場が、イラクで日本人3人が人質にされたとき。 「自己責任」という言葉がとびかう。 第三場は、郵政民営化法案の是非を問うというカタチになった、総選挙の前日。 最終場は三年後の3月という設定。 見ている僕たちの記憶が新しくなまなましいので、 彼らの議論がリアリティをもって伝わってくる。 そして自分の意見と照らし合わせる。 上手いなあと思ったのは、「世間」の視点を入れていること。 ここでは鉄工所の社長(でんでん)がそれを担っている。 彼の発言は、マスコミの大多数派の発言でもあり、 「世間」の考えていることでもある。 内部だけで完結させてしまわないことによって、 NGOのスタッフ内や社長の間に、ズレが起こる。 それが「笑い」に転化するのだ。 吉田栄作は舞台、初出演だそうだ。 彼は何の違和感もなく、立派に、舞台の、NGOの中心としての存在感を放っていた。 小島聖がそれをフォローする。 舞台が始まる前、僕の席の後ろの方が、 「『小島聖』」はねえ、あの世代では抜群の役者さんです。 いつもいい芝居をするのでねえ。今回も楽しみなんですよ。」とおっしゃっていた。 まさしく、今回の小島聖はそれを演じきった。 今回の彼女の役どころは正直言って難しい。 NGO活動に励み、本業のフェアトレードのお店でも頑張り、 中心的な役割をNGOで担っている。凛とした女性である。 しかし、彼女のココロの中には、吉田栄作がいる。 しかしながら、吉田は、商社の同僚だった月影瞳と婚約をしたまま、結婚をしない。 この人間関係が一瞬間、破られる・・・。 そこに向かっていく、ココロの変化を、明るく、そして切なく演じられる小島聖。 それは結局、一瞬間だけのことだった。 その後、そのことについて悩みながらも、 新しい明日に向かって明るく再生していく「池森新子」。 晴れ晴れしい気持ちになる。 決して、絶望はしない。 たとえ500円のチョコレートを売ることで、 どれだけのイラクの子供たちが助けられるのかと自問自答し、 自暴自棄になりそうになるかもしれない。 でも、鉄工所の社長の奥さんが20個のチョコレートを買っていただくだけで、 盛り上がる。そんな、気持ちを持ち続けよう。 小さいけど力強い希望を、NGOの面々は静かに湛えている。 それを小島聖が象徴的に演じる。 すくっと立つ彼女の姿から、強い意志が感じられる。 ![]() 吉田栄作・小島聖 ![]()
by haruharuyama
| 2006-05-29 07:29
| 舞台
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