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作・演出、山内ケンジ。上演時間90分の濃密な人間劇。 それをあるお金持ちの専務さんの家のテラスとその周辺だけで作ってしまう。 その手腕に脱帽。豪華なセットや派手な仕掛けなどなくても これだけ緊迫感と脱力の笑いなどが混在した場を作れることに感動する。 山内ケンジが城山羊の会で演劇を初めてちょうど10年が経つ。 それ以前にも、山内さんはTVCMの監督をしながら 短編戯曲を書いたり、 番組用の脚本を書かれたりしていた。 そして10年前に始めた城山羊の会が 山内さんが劇作家・演出家という新たな柱を作る転機となった。 糸井重里さんがあることを10年やり続ければ、一人前になると言っている。 山内さんはそれを実際に行っており、 来年もすでに5-6月と12月の2回の公演が決まっている。 折込のチラシに山内さんが書いていた文章を引用する。 CMも一切やめてお金もなくなりました。 それでも演劇を作ることは私にとって余りにも需要で、 この10年で得たモノは、それまでの20年間のCM監督時代を遥かに超えるモノでした。 何かを創りつづけないでいられないということが芸術家の特質である、と言われる。 そういう意味でも山内さんは芸術家であり、 創りつづけることによって何かを埋めているのかもしれないなと少し考えた。 それを10年間続けて来た山内さんの ある一面の集大成が本作で見られる。 山内作品にはエロスという言葉がふさわしい。 大人のエロスを描いた作品をこれまでも数多く作っている。 そしてエロスとは生きるということにもつながり、 人が生きて行くということはそれだけで笑えるところがある。 その大人のエロスとユーモアをたたえたどこか気品に満ちた作品 とでも言えばいいのか? いつも、1950年代~60年代の映画などを思い出す。 ビリーワイルダーなどの描く世界を日本の現在に置き換えたような。 また、「女は二度生まれる」(1961年・川島雄三監督)という日本映画の名作があるが ああいった時代の邦画の感覚にとても近い何かを感じるのだ。 若尾文子の醸し出すエロスみたいなものがこの舞台全体にも漂う。 その感覚を映画ではなく演劇作品として生で見られるというのは 大きな魅力の1つだろう。 ある会社の専務さん(岩谷健司)の家でのホームパーティ。 サン・アドのデザイナーの斎藤太郎さん(古屋隆太)の妻(平岩紙)が ドリンクのグラスを持ってテラスに出てくるところからこの舞台は始まる。 そこに遅れてやってくるトヨタに勤める田ノ浦(師岡広明)。 田ノ浦は明らかに平岩紙に興味を持っている。 胃の手術で90キロだった体重が明らかに50キロ台になってしまった サン・アドの斎藤太郎と同姓の斎藤雅人(岡部たかし)。 紙ちゃんの漂う抑制された色気が舞台を覆っていく。 その紙ちゃんに対抗するように違うベクトルの色気をふりまく専務の妻(石橋けい)。 彼女の発する発言がパーティーの場の空気を微妙に変えていく。 それに戸惑う男たち。 紙ちゃんの夫である古屋隆太を別として、 3人の男たち (専務の岩谷健司、トヨタの師岡、そして同姓の斎藤という名前の激ヤセした男、岡部たかし) はみんな平岩紙に興味をもっている。 それについて興味がないようなふりをしながらも その場を引っ掻き回そうとしているかのような石橋けい。 彼女の喋り方がいい。 そして俳優さんたちの発声の仕方がいい。(決して大きな声を出さない。) スズナリという小さな空間だから出来ることでもある贅沢な演出でもある。 小さな小屋での演劇という 非効率の裏側にある贅沢さを観客は無意識に感じ取る。 このテラスで様々なことが起きていく、そのいちいちが可笑しい。 その可笑しさを舞台でどのように表現するのか? といういくつもの方法がこの10年間を通じて山内さんの中に たくさん積み上げられたのだろう。 観客席からは様々な瞬間でいろんなところから笑いが起きる。 そして、この関係はどうなっていくのか?とニヤニヤしながら見ていると、 そこに帰ってくる大学3年生の男の子(橋本淳)。専務の息子である。 彼は紙ちゃんと実は知り合いで。そして・・・・。 ここから新たな展開が始まる。 これ以降は、見てのお楽しみがいいのでは? とっても濃密で完成された90分の大人のエロチックコメディが楽しめる。 受付で台本が売られている。読み物としてもとても面白い。 12月9日まで。 ![]() ![]() ![]()
by haruharuyama
| 2014-12-03 08:47
| 舞台
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