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うわさのあの映画、 正式名称は「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」とある。 そして、この映画のこの題名のかっこのなか(無知がもたらす予期せぬ奇跡)を 描いた映画じゃないか? 本作は今年のアカデミー作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞を受賞している。 監督はアレハンドロ・G・イニャリトゥ(1963年メキシコ生まれ) そして撮影賞を獲った撮影監督は エマニュエル・ルベツキ(1964年メキシコ生まれ) どちらもすばらしい才能と個性である。 撮影監督が撮影した他の映画「スリーピー・ホロウ」 「ツリー・オブ・ライフ」「ゼロ・グラヴィティ」「トゥ・ザ・ワンダー」 も素晴らしい撮影で実績を残している。 特に、テレンス・マリックと組んだ2作 (「ツリー・オブ・ライフ」「トゥ・ザ・ワンダー」)の撮影は 僕の中で永く記憶に残る作品となった。 メキシコ出身の50歳近い才能がここで集まって米国で映画を作り、 刺激的な作品を発表する。 それをアカデミーの会員たちが見てきちんと評価している。 多様性をきちんと認める文化が米国の中にきちんとあるということが あの国の魅力だろう。 そして米国への移民がもっとも多いと言われているメキシコ人が こうして優れた作品を作るということは、 どこかに必然的な意味があるのではないだろうか? 表現というものは常にそうした環境や状況が影響してくる。 圧倒的なマイノリティや寂しさの中から爆発的な表現が生まれてくる 可能性があるのだから。 そして今回、イニャリトゥは本作で、その爆発的なパワーを 独特な手法で発揮した。 以前、米国でブームとなったキャラクターのスーパーヒーローを 演じていた俳優が主人公である。 その俳優もその連続シリーズ「バードマン」人気を「バードマン3」で終わらせ その後、ヒット作がなくぱっとしない状況が続いている。 その俳優は起死回生のためにNYのブロードウェイで 自費で興行を打つことを決意する。 それまで演劇をやったことがなかった男が自ら出資しプロデューサーとなり 作家・演出家・俳優となって自らの舞台を上演する。 映画はその上演前から上演後にかけての幾日かを追いかけている。 ワンカットでは?と思わせるようなショットが延々と続く。 ここでカットが変わっているなと想像するのだが、 観客にとってはそんなことはどうでも良く、 ワンカットの流れるようなカメラワークとともに主人公の俳優の 不安定な気持ちとともに観客は この手持ちのカメラワークに寄り添うことになる。 男は決して品行方正ではなく、いわゆる無頼派と言ってもいいくらいの むちゃくちゃな男。いつももう一人の自分がいて自分に問いかけている、 お前はそれで本当にいいのか? その間で苦悩しながらも舞台を成功させようとする男。 映画の世界と演劇の世界が対比的に描かれる。 その対比によって、消費される文化への批評が語られる。 これは、イニャリトゥ監督のある種のメッセージではないだろうか? バーで、この俳優の舞台のプレビュー公演の前に、 劇評家で有名な女性に声をかけるシーンがある。そこが、とても印象に残った。 その批評家は演劇と映画は違うのよ、 映画出身のあなたに出来るのか?というようなことを語る。 しかし、本作の題名にもあるように「無知がもたらす予期せぬ奇跡」が起こるのだ。 これを、どのように観客は捉えるか? ある種の虚無感の中から生まれた新たな価値を 監督のイニャリトゥはなんとか描きたかったのでは? その葛藤が物語を生み、こうした実験性あふれる 優れた新しい作品になったと僕は感じたのだがいかがでしょう? 賛否が分かれる作品なだろうだけに、 この作品に評価を下したアカデミー会員たちは、 やはり創作者たちの集団なんだねと感じたのでした。 さりげないVFXの使い方がいい。 そのリアリティがさらにこの映画のクオリティを上げている。
by haruharuyama
| 2015-04-13 08:55
| 映画
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