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実は2012年の公演はお客さんが集まりすぎて見ることができなかった。 スズナリには当日券の長蛇の列ができ、結局あきらめることとなった。 その公演が、今回再演されるときいて、今回は早めに予約させていただいた。 そして、これを見て、人気がでる理由がよーくわかった。 とにかく面白い。 三谷幸喜の30代の頃の喜劇を彷彿とさせる面白さと THE SHAMPOO HATの持つ、独特のとぼけた「間」がある 面白さみたいなものが共存した舞台になっていた。 作・演出のペヤンヌ・マキはAV(アダルト・ビデオ)の監督でもある。 「SPA」でペヤングマキのDVDコラム「悶々うぉっちんぐ」 というのを隔週連載されているので演劇ファンでなくても 知っている人は多いのでは? そのマキさんがアダルト・ビデオ業界に長くいる経験が本作には活かされている。 舞台はAVの撮影現場。 AV女優で長く現役で活動しているレズ姉さまキャラのリカコ(安藤玉恵) そして巨乳の熟女キャラのルミ(もたい陽子)、 リカコの友人でSMクラブで働いている女王様も 今回はリカコ姉さんに頼まれて出演している。 彼女はカエデ(高野ゆらこ)という。 元アイドルがAVに登場するという触れ込みの撮影。 BSUというアイドルグループで第1期のセンターを張っていたらしい。 元アイドルを演じるのがマリナ(松本まりか)。 彼女が今回は女子高生の役を演じ、産婦人科に生理がないんです、 とやってくるところから始まるというもの。 彼女に対応する女医(安藤玉恵)と ミニスカナースのもたい陽子と高野ゆらこ。 松本まりかは診察台に座らされ足を拡げさせられ診察を受ける、 と思ったら女医さんが取り出したのは診察器具とともに 大きな大人のおもちゃのバイブレーターを取り出して来た。 そして、それを入れますよおおおお!というシーンからこの舞台は始まる。 AV特有のわざとらしい会話の仕方や予定調和でありがらも 破綻した物語の運び、すべてがエロに集約していく世界観。 そのことを逆手にとってペヤンヌ・マキは喜劇に仕立てあげる。 エロは生命力に通じ人間がたくましく生きるということにもなる。 ので、見ていてとても元気が出てくるという効能がこの舞台にはある。 そこに遅れてやってくる出戻りのAV女優カスミ(内田慈)。 彼女は若い頃、ロリ系のキャラで100本以上のAVに出演していたらしい。 が、一度引退したのだが、生きて行くためにエロの世界でもう一度頑張りたい! という必死の思いで今回の現場にやってきた。 AV監督(カメラマン兼任)を演じる杖桐安。 ADの尾倉ケント。以上7人の舞台である。 監督は本当のAV監督なんじゃないかというリアリティがある。 現場を知り尽くしているからこそのディテールが出ているのだろう。 撮影の仕事には共通したものがある。 シナリオや絵コンテがあって、現場(ロケ地やスタジオ)があり 撮影順(香盤表)があり、俳優たちの控え場所がある。 そこにはツナギと呼ばれるお菓子などが置かれており 時間になると弁当が提供される。 ガムテで壁に大きなゴミ袋を張り付けて 「燃えるゴミ」と「燃えないゴミ」を入れるところが設置されている。 カメラマンが居て、ヘアメイクさんなどもいる。 これらは、規模の大小があるが撮影ということでは同じ。 そして、どの現場も雰囲気も含めて同じだなとこの舞台を見ておおいに納得した。 AVにはどこまでやっていいのか?という線引きの難しいところがある。 激しいプレイや激しい行為を求めていく現場側と そこまで出来るのか?ワタシ!?と言った女優の心理状態がせめぎ合っていく。 そして、「私聞いてません!」みたいな現場での中断が起き、 そうしたトラブルが起きるたびに話し合いをして解決をしていけない。 ものすごく人間臭い世界がリアリティを持って伝わってくる。 そして、ペヤンヌ・マキはAVの世界に生きる人々の実際を ここで私たちに見せてくれた。 彼女たちは演じるだけでなく、生きていかなければならない。 AV女優というお仕事を通じて逞しく生きている女性たち。 安藤玉恵は子供が出来、4歳の子を育てながら働いている。 AV女優以外にもSMバーを運営したり、AV女優向けの芸能事務所を始めたり、 風俗で働く女性向けの託児所を作ろうとまで考えている。 とにかく時間がなく生きることに懸命で現実主義であり、 安藤の発する言葉のいちいちがストレートでいい。 女の見得とか嘘とかが完全に取っ払われた状態の女性がそこにいる。 それに比較して自分を無意識にアイドルだから、と思って現場にやってきた 松本まりか、そして、この世界でもう一度がんばらなきゃと やる気だけが空回りする内田慈が対比的に描かれる。 プロのAV技術を磨いて自分の世界に徹する男好きのもたい陽子。 などなどが現場で懸命になり、ある時点で覚悟を決め さらに高みへ向かおうという状況を描いており 笑いながらも、感動的であるこの舞台は、 特筆に値すべきものなのでは?見た後に爽快感が残る。 女優たちの潮吹きをするシーンが見ものです。31日まで。 PS:この日、劇評家の扇田昭彦さんが亡くなったことをSNS経由で知った。 1週間前に入院されての急逝だったそう。 扇田さんがこの舞台を見ていたら何とおっしゃってただろうか? 扇田さんの劇評を見て、私が30代の頃にまた 舞台にあしげく通うようになった。 その時に読んだ、朝日新聞の劇評はナイロン100℃の「フローズンビーチ」だった。 それから、扇田さんは私のあこがれの人となり、 良く劇場でそのお姿を見かけたものだった。 インタビュー本などもとても面白く演劇界を拡げてくれた功績は 語り継がれるだろう。ご冥福をお祈りいたします。 ![]() ![]() ![]()
by haruharuyama
| 2015-05-24 09:43
| 舞台
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