アルクという会社の通信講座に「1000時間ヒアリングマラソン」というのがある。
僕がロスアンゼルスにあるグループ会社に研修に行きたいと会社に申請し、
実際に行ったのが7-8年くらい前だっただろうか?
僕が30代半ばの頃である。実は、行きたいと申請する前から、
何とか、「道具としての英語」くらいは使えるようになりたいなあと漠然と思っていた。
大学の1年の時に、英検2級を取得してから、
そのような英語の検定試験を受けるということは皆無だった。
30歳過ぎて、海外出張に行っても、旅行英語の域を出ず、
これではいかんなあと思っていた時だった。
とにかく駄目もとでこの講座を受講してみようと思い立ち、
数万円の振込みとともに1年分を申し込んだ。
このヒアリングマラソンの趣旨は簡単である。
とにかくたくさん英語を聞きましょう。
1日3時間英語を聞くと、1年で1000時間になる。
「ひえーっ。1日3時間も聞くの?」とひるんだ。
自分にとっては、ものすごく困難な気がした。
要するに、英語を聞くために、テレビやラジオの映画講座はもちろん
、英語のテレビドラマや洋画、音楽やFENの放送でも構わないということだった。
それにしても大変だ!
僕はウオークマンを購入し、ラジオ講座を毎日録音して、
それを聞きながら通勤をすることにした。これだけで2時間。
あとは積極的に英語の映画かドラマを見るようにした。
僕の趣味とは違うかも知れないが、
とにかくこれから数年はハリウッドで生産される映画を中心に
英語漬けの生活をしようと決めた。
しかし、毎日3時間は,そんなには続かない。
1日1時間が1000日で1000時間か?
そうか、じゃ、3年以上続ければ、1000時間聞いたことになると自分を説得して、
とにかく続けることにした。
2年後には3ヶ月間だったが、ロスアンゼルスのオフィスに研修に行き、
ネイティブの人たちの喋りの速さに驚いた。
ネイティブ同士の話は、映画を見ていてもそうだけれど、
なかなか理解出来ない。そして、中途半端な英語力しかないこと。
東洋人であること。お金を持っていないということ。
などなどが圧倒的に現実としてのしかかった。
無意識に差別される人たちがいるというのは、
こんな感覚なのだろうか?と感ずることになる。
それは生まれて初めての経験だった。
また、アメリカは一部を除いて圧倒的なる田舎であるとも感じた。
都会的で洗練されたセンスのいい、なんてものは微塵もない。
そんな人生体験が出来て、本当に感謝している。
そして、僕は、相変わらず、「1000時間ヒアリングマラソン」を受講し続けている。
今になっては、あまり熱心な受講生ではない。
が、毎月「ヒアリングテスト」を提出しなければならないという義務がある。
毎月1回この「ヒアリングテスト」を提出し、結果が返送されるのを見ながら、
これ以上英語力が落ちないようにしようという指針にしている。
また、もう一度、英語漬けになって勉強してみようかとも思い、逡巡している。
「トークマスター」という語学勉強専門のi-podみたいなものを買ってみようか?
そうすると、通勤時間に新聞が読めなくなる。
しかし新聞を家で読んでいると、ブログが書けなくなる。
うーん。困った。
いまだに困ったままでいる。