今年のF/T15の3本目は岡田利規:作・演出の日韓共同制作。
先日、安倍首相とバク・クネ大統領がようやく会談をすることが出来た。
日韓が良好な関係を作っていけるのは、
こうした草の根的な活動を現場レベルの人たちが続けていくことから生まれてくるのでは?
の共同プロジェクトである。
哲学的で詩的な演劇だった。
そしてやわらかなユーモアをたたえている。
そのユーモアの先にあるのは未来への怖れ。
その怖れを感じている私たちはある種の虚無感に襲われて
そこはかとない哀しみに満たされる。
そんな印象。
いつもの岡田利規らしい、俳優が舞台に立って正面を向いて
少し間のつくり方ががぼんやりとした状態でゆるーく語る。
この喋り方は日本の若者言葉だからなのかな?と思っていたのだが、
韓国語で喋る韓国の俳優さんの言葉でもなんの違いがなかったことを知っておどろいた。
韓国語にもゆるーい喋り方があるんだな!
中国語などはいつも怒っているように聞こえたりするが
岡田さんの手にかかると中国語もゆるーい喋り方になるんだろうか?
野球のことをほとんど知らない女性2人(日本人俳優と韓国人俳優)
そして野球好きの韓国語を喋る男性俳優とイチローのものまねが得意な日本人俳優。
の4人だけの舞台である。
野球のルールや野球の面白さについての質問を女性俳優たちがする。
何で投げられたボールを打って走るのか?
というこのゲームの根幹にかかわるようなそもそもの質問をして
会場は笑いに包まれる。
とはいえ、このゲームのことを初めて知った人が
そういう疑問を持つのも当然と言えば当然。
自分もクリケットのルールが分からないし
どこが面白いのかすら不明である。しかし、インド人はそのスポーツに熱狂する。
野球というスポーツは米国から日本に持ち込まれ、
韓国にはその30年後に紹介されたらしい。
教育者の米国人が体育教育の一環として持ち込んだ。
日本も韓国もそれから米国の指導の下でいろんなことを実行している。
今回の安保法案改正や1960年代の原発の導入などなども含めて
米国の指導に従って来た歴史はいまも続いている。
舞台後半になってそうしたことの怖れが描かれる。
舞台後方にある美術のモチーフを通じて
それの変化を見続けることによって
多くの観客が考え感じるという構造になっている。
それらのことは国境を超え、最終的には私たちで解決できない問題となっていく。
原発の事故の問題。放射性物質を含んだ空気は飛散し
放射性物質を含んだ雨として大地に降り注ぐ。
エネルギーの大量消費に伴う温暖化で環境は破壊され、
豪雨がいくどとなく繰り返されたり干ばつが起きたりする。
国家の対立が拡がることによってテロが再生を繰り返し、
留まることがなくなっていく。
そんな、今の時代を岡田さんは
あのなんだかわからないモチーフを使うことによって表現しているのかも知れない。
怖くて悲しくその底にゆるーいユーモアが含まれた作品。
1時間45分。11月28日のお昼の回の終演後15時45分頃から、
あうるすぽっとのロビーで岡田さんと多田淳之介さんが
韓国で今起きている芸術表現に関する規制などの問題で
自主的なトークショウを行うらしい。
この日のカーテンコールで岡田さんが私たちに向けて直接お話をされた。
ちなみに参加は無料。
詳細はhttps://www.facebook.com/chelfitsch


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