舞台を見終わった感覚が小津安二郎の傑作映画「彼岸花」にも似た作品である。
「彼岸花」は父と娘の物語だったが。本作は父(永井秀樹)と息子(玉田真也)の物語。
母親がいないこの家庭はいわゆるシングルファーザーの家庭であり、
父は大学の先生をしており日本の古典文学を研究している。
ゼミ旅行で奈良にやって来る。父親とゼミ生3人と先輩の大学院生1名。
1日目が終わって宿に戻ってきたところから舞台は始まる。
そして、このゼミ旅行に、教授である父は息子を自宅に残したままでは、あれだと思い、
一緒に連れて来たのだった。
ゼミというオフィシャルな立場と親子というパーソナルな立場が混在する。
さらには、ゼミ生同士の男女という関係も重なり、
奇妙な関係が生まれて来てそれが笑いを誘う。
独特の「間」が生まれ。その「間」がこの玉田企画の持ち味となっている。
丁寧に演出された舞台は初日にもかかわらず完成度が高く、
時々、場内は爆笑の渦に包まれていた。
今回の舞台での大きな特徴は、フランスからの留学生役として
ブライアリー・ロングさんの起用。
彼女は本当に貴重な女優さんとなっている。
先日、東京国際映画祭でも上映され、
その後一般公開された「さようなら」では体当たりの演技を行った。
そしてブライアリーさんの女優としての魅力が
どんどんと増している。
真のグローバル化やボーダーレス化などを考えるような作品の際に、
ブライアリーさんの存在は本当に貴重だと思う。
今回は日本の古典文学がむちゃむちゃ好きなフランス人留学生を演じている。
彼女は自分の考えていることをはっきりと言う。
これは日本人がもっとも苦手としている部分。
ブライアリーさんの身体から語られる日本語は
私たちにとても説得力を持って聞こえてくるのである。
言い換えると私たちは何も決めず曖昧なままでいるということを
強く意識させられるのだ。
あなたたちは、あいまいすぎるんじゃないですか?
と問われているような。
論理的に物事を進めていこうとする感じと、
日本の古典文学が好きといういわゆる「ヲタク」的な感覚が混在している役を
見事に演じている。
同級生の加藤(木下崇祥)とブライアリーさんが河原で語り合うシーンがいい。
加藤がフランス語で手紙を書いてくるのだが。
そして藤村先生こと永井秀樹とゼミ生である里中(黒木絵美花)の関係が明らかになっていく。
観客はそれらの関係性を知りながら
エンディングでのブライアリーさん(ナオミという役名)のフランスへ戻ることになった
送別会でのやりとりをニヤニヤしながら見ているという構図である。
人生讃歌の舞台であり、
ドキドキとする恋愛の感じがとても良く伝わってくる舞台となった。
24日まで。


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