JR青梅線に「牛浜」という駅がある。「福生」の一つ手前。
自宅のある東西線の「妙典」から1時間50分。生まれて初めて降り立った。
生憎の雨。駅のホームはランナーたちで溢れていた。
五日市街道を北へ向かうと、国道16号にぶつかる。
国道を渡ったところが、米軍横田基地第五ゲート。
この日はここで、横田ストライダーズ主催の「駅伝大会」が行なわれる。
第17回。横田基地は米国空軍の基地である。
現在、沖縄を初めとした米軍基地の移転問題、米軍の総司令部の一部が、
座間キャンプに移転する問題などが、連日マスコミで取り上げられている。
横田基地はどうなるのだろう?
今後、民間航空機が横田基地の完成区域内を
飛ぶことが出来るようになるだとか言われている。
敷地は膨大だった。そりゃそうである。飛行場でもあるのだから。
基地内に、横田中学校というのがあって、
そこの体育館でランニングウエアに着替える。
この中学は誰が通うのだろうか?米軍関係者の子供たち?
それとも横田基地の近くに住んでいる日本の子供たち?
生まれて初めて米軍基地内に入ったので、わからない。
しかしながら、建物や看板表示は明らかに、米国の学校である。
米国の一部がそのまま移転してきたという方がわかりやすいかもしれない。
駅伝は4人一組で行なう。一人5キロ走る。
合計20キロの駅伝レース。
基地内を丁度1周5キロで走られるようにコースを取っていて、
走りながら基地内のいろいろなところを見学することが出来る。
僕は第一走者だった。
基地内に鉄道の引込み線があり、貨物列車などが置かれているのにまず驚く。
コース内で踏み切りを何回か横断することになる。
小さなゴルフコースもあった。何ホールくらいあるのだろうか?
そこを回り込むと、大きな飛行場の敷地を右手に見ながら走ることになる。
実際に滑走路のすぐ横を走ることなんてないので、
滑走路の広大さを実感する。ゴルフの打ち放し練習所もある。
小さな建物には「PAR3 CLUB」と記されている。
3キロを過ぎたあたりから息が上がってくる。
その呼吸とともに、パンを焼く、いいにおいが漂ってくる。
ここは、パン工場なのか!敷地内にパン工場まであることにびっくりしつつも納得。
車の修理所などを過ぎて、タスキを第二走者に渡す頃には
ピッチも落ちてヘロヘロになって到着した。
ゲート近くでは、ホームメードケーキ、ハンバーガー、ホットドッグ、
焼きソバなどが売られていた。
どれも250円から500円くらいなのだが、生憎の雨で、食べるところがなく、
買う事を断念した。米軍兵士たちと、その家族たちが運営をしていた。
とっても素敵でのんびりした光景である。
有事なんてものがこれから永遠に来なければ毎年、この駅伝大会は開かれるだろう。
有事の際は、どうなるんだろう。
基地の設立の目的と、全然違うところに惹かれている自分がいる。
この平和の象徴のような駅伝がずーっと続けばいいのにと思う。
でも、そもそも基地が何故あるのかを考えないといけないんだけど。
この横田基地はいつまで存続するのだろう?