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原題は「WHAT TECHNOLOGY WANTS」by Kevin Kelly 翻訳は服部桂。 原本は2010年に書かれている。 先日「S×SW2016」の報告会を聞いた。 テキサス州のオースチンで開かれるこのイベントは世界中の人が集まる 最新テクノロジーの勉強会と報告会のようなものらしい。 近年は広告関係者が多く参加するようになった。 そこで、報告者の方が本書のことを話されており、興味をもった。 ちなみに、当時のアイフォンのメモには、Vantage.tv deskgen kashita.から始まって、 本書があり、その後Channel of you Netflix Snapchat Spotify gracenote viv.と 書かれていた???? 本書の定価は何と、4500円! 日本語版発行が約2年前の2014年6月なので図書館ですぐに借りることができた。 作者のK・ケリーのキャリアが面白い。 大学を飛び出してアジアを中心として世界中を放浪する。その期間なんと10年間。 ヒッピームーブメントが起きていたころだったので、 新たなカウンターカルチャーが米国で花開くときだった。 その後ケリーさんは自転車で米国を横断する。 そんなことをしているうちにケリーさんも30歳を過ぎ、 最初にかかわった仕事が「ホール・アース・カタログ」の編集の仕事。 本書はパーソナルコンピューターのUIの起源になったとも言われる 影響力のあるものだったらしい。 あらゆる道具(言い換えると私たちのテクノロジーの一部なのだが)を 網羅しようとした画期的なものだったらしい。 (グーグルはそれを今やっているのでしょうか?) 1984年のことである。 その後1992年にデジタルカルチャー誌として現在でも刊行が続いている 雑誌「WIRED(ワイアード)」の創刊に参加し7年間その仕事をされていた。 ケリーさんの面白いのは、こうした最先端のデジタル世界にいながら も実生活ではアナログなことを大切にしているところ。 自転車が好きで、TVは持たず、 ツイッターなどのSNSを使わない生活をされていること。(2010年当時) アーミッシュをはじめとする、テクノロジーをすぐには受け入れない人たちへの興味も深く、 人間の根本のところからテクノロジーと人間性を捉えようとされていることに驚いた。 そのケリーさんの視点が本書を独特なものにしている。 一番感心したのは、テクノロジーの進化を、宇宙のビッグバンから解き明かし、 そして生命の誕生から進化を検証し、テクノロジーの進化も同じような 道程を経て進化していくのだろう!と考えていること。 そこには物理学や生物学、医学やその他のサイエンスと言われているもの、 さらには人間の感覚的なもの感情や愛情など、あらゆる要素をかんがみて、 テクノロジーの進化は予測されるという考え方だった。 まるでこの宇宙の知をすべて集積しながら理解しないと、 正確な把握はできないといわれているようだった。(汗) また、本書はケリーさんの原書もそうなのだろうが、 精確さを追求するために言葉の使われ方が詳細すぎるほどに書かれていたり、 抽象的な表現をせざるを得ないところがでは難解な文章にならざるをえなかったのだろう。 それゆえ、翻訳された文章を読むのにもかなり骨が折れる。 段落空きや行替えもなく、びっしりと文字で埋められたものが420ページも続く。 今年、読んだ本の中で一番時間がかかってしまったかもしれない。 ただ、決してサクサクと読めるものではないが、読んでいる途中、 そして読後感は、私の読書体験で永く残るものになるだろう。 地球や生物の進化なども含めてテクノロジーの進化について これだけ詳細に語られた本がほかにあるだろうか? 人間の初期のテクノロジーとしてケリーさんは「言語の発明」「書き言葉の発明」などを挙げておられる。そして、無数のテクノロジーが発明されていき、それが自然淘汰され必要なものだけが残る。 まさに生物の進化と似た構造がここにある。 アーミッシュのお話が面白い。 アーミッシュは独特な生活スタイルを持つ集団だが 決してテクノロジーを否定しているわけではない。 誰か新しもの好きの人に使ってもらい、それがアーミッシュの世界の中で 適切なものかどうか審査するらしい。 適者生存ではないが、そうした進化の中で本当に大切なテクノロジーは何なのか? が集団の仕組みの中で検証されているらしい。 このエピソードはとても興味深いものだった。 たとえば100年後にも残っているテクノロジーは何なのか? ケリーさんは根源的で本質的な価値を考えつつ、 しかもテクノロジーの未来に希望を持っている。 テクノロジーは私たちの能力をさらに拡張する場所であり、 拡張をすることによって私たちはさらに進化をするということを信じている。 ので、本書の読後感はさわやかである。 そうして、これらのことは 私たちもそれぞれ考え続けなければならない大切なことであるな!と確信した。 テクノロジーをどうとらえるかのリテラシーが問われている。
by haruharuyama
| 2016-05-22 09:35
| 読書
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