ものすごいタイトルである。劇中で語られて知ったのだが
この公演のチラシの掲示のお願いをしに新宿や下北沢のお店などに行ったのだが、
多くの店で二の足を踏まれたらしい・・・。
チラシには、ドーンと「まんこ」と書かれているわけでなく「ま○こ」となっているのにもかかわらず、
やはり印象が…。ということだろうか?
演劇はこうしたことを堂々とできるのがいいところ。
放送されるわけではないし。いろんな価値観の人が一斉に見るわけではない。
でも、今後「Netflix」などの配信動画が拡がっていくと、
そういう制約もどんどんなくなって表現の幅が広がり
制作するものの可能性も拡がっていくのではないか?と期待している。
僕は関西出身なので「まんこ」と言われても卑猥な感じがあまりない。
関西では「おめこ」と言っており、この言葉はかなり躊躇がある。
「ぼぼ」とか「ほと」とか「ほーみー」とか地方でいろんな呼び方があるらしい。
この公演の中でもこのような話が行われる。
海外でもいろんな呼び方で「まんこ」は呼ばれている。
聖なるものであり性なる「まんこ」は命が誕生する場であり「命」を生成する場所でもある。
太古の人々は「まんこ」を大切なものとして「生」の象徴としてあがめた。
古事記では「みほと」=「美火門」などと呼ばれていたらしい。
それがある時点で秘め事になっていく。これは、どうしてなのだろう?
で、この演劇を通して、そうした固定観念を
もう一度見直して考えてみようという演劇なのでは?
On7は新劇系の中堅の女優さん7人の演劇ユニット。
その女優たちが真剣に「まんこ」のことについて語り続ける。
副題に「ヴァギナ・モノローグ」とあるように「モノローグ」で語られるのが特徴。
ということは一人芝居でもこれは上演できる。
演出の谷賢一は7人の女優に向けて再構成し再構築した。
ファッションショーのランウェイのような真っ白な通路が真ん中に敷かれている。
シンプルで美しい。
きれいなワンピースを着てハイヒールを履いた7人の女優たちが登場する
ファーストシーンがきれいでとても印象的だった。あのシーンをもう一度見たい。
そこからは、7人の女優たちが交互に「まんこ」に関するモノローグを語りだす。
陰毛や潮吹き、ヴァギナがちゃんと感じるためのワークショップ、
そして「まんこ」をじーっと見るのが好きな男の話。
私の「まんこ」は怒っているとそれぞれの女優たちがアドリブ?で語るもの、
そして、ボスニア紛争時に兵士に犯された村の女性の話、などなど。
性なるものは命につながるのでポジティブに捉えると生きるチカラにつながる。
その逞しくも愛すべき「まんこ」を真正面から見つめた2時間だった。
劇作家は米国の「イブ・エンスラー」
本作は1996年に初演され何と140カ国以上で上演されているらしい。
7月18日まで。