現在、事実などを基にして戯曲を書かせたら、
本作の劇作家の詩森ろばを超える人はいないのでは?
それくらい筆力が旺盛でレベルが高い。
今回も詩森のその実力を見せつけるような舞台だった。
緊張感のある男だけの舞台。インサイダー取引を扱っている。
本作は前作「hedge」(ヘッジ)(ヘッジファンドのヘッジです。)の続編にあたるものらしい。
詩森はこれらの作品を執筆するにあたり、膨大な経済のことを勉強したのだろう。
個人的にも経済について少しずついろんな本を読んで来て
最近少し経済の仕組みや資本主義の仕組みなどがわかってきたので
さらに興味深く見ることができた。
もちろん、経済のことをあまり知らなくても見ている人に理解しやすいように、
先物取引、やTOB、ヘッジ、ファンドなどの言葉の説明が舞台の進行を
中断して行われる。それもまた演出として面白い。
演劇ならではの手法を駆使して独特な劇空間を創り上げている。
ある投資会社(ここでは、バイアウトファンド会社となっている)に
ある日、金融証券取引等監視委員会の精鋭メンバーたちがやってくる。
検察庁のがさ入れみたいな光景が拡がる。
それから監視委員会のメンバーによるパートナー(ボードメンバー)たちへの
インタビューが始まる。査察が入った日を中心に
新人君が入ってきた6か月前から現在に至る経緯も
インサートされ劇は進行する。
また前作「hedge」でのバイアウト会社設立の経緯や
その後の展開なども「hedgeより」という回想形式で舞台は進行する。
そして、観客たちはこの顛末をじーっと見守ることになる。
知的な会話が続く。
この会話に知的好奇心を刺激される観客も多いことだろう!
会社の中枢部にいる方などはさらに自分事の感じが強いのでは?
会社経営に携わる人たちに今回の作品をぜひ見てほしいと思った。
会社の中で誰がインサイダー取引をしたのか?
観客はハラハラドキドキしながら見ることになる。
会社を舞台にしたドラマが最近は人気である。「
半沢直樹」や「下町ロケット」など、作家の池井戸潤の存在は大きい。
昭和の時代にも松本清張や城山三郎などが居て、彼らの原作の映画などがたくさん作られた。
こうした成熟した知的なコンテンツがこれからの
成熟社会、高齢化社会にはさらに広く受け入れられるのでは?
ネタバレになるので多くは書かないが、舞台の緊張感が1時間45分続く。
劇場のロケーションが面白い。
住宅街の一軒家と思われる場所、閑静な場所の地下のホールに案内されると
コンクリート打ち放しの天井の高い空間が広がる、
半円形になった空間だからHalf Moon Hallなのだろうか?
真ん中にグランドピアノがあり、
左右にカウンターテーブルが置かれている。
壁には映像が投影され映像も演出の大きな武器となっている。
今年の何本かの秀作のうちの1本である。31日まで。
折り込みで詩森さんが書かれていた文章がまたいい!
本作には実在のモデルとなった方がいたそうである。


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