作・演出:パク・グニョン(劇団コルモッキル)、韓国は兵役がある20代前半の
男性が必ず21か月勤める義務があるらしい。
それゆえか、韓国人の若い男性で肥満体の人を見かけない。
そして兵役があることで何らかの影響があることは確かだろう。
芸術の表現にもそのことが現れてくるのではないだろうか?
韓国映画が好きである。キム・ギドクを初めとして
激しい表現を描く作家がたくさんいる。
それも、兵役の義務と無関係ではないと思うのは考えすぎだろうか?
戦前に日本が駐留して、終戦を迎えるものの、その後
朝鮮戦争で米国とソ連との葛藤に巻き込まれる形で朝鮮半島は南北に分断されてしまった。
戦後70年経っても南北は分断されたままで緊張関係が続く。
韓国の若者たちは一部の財閥系企業の子息や、その財閥系の企業に入れた
若者たちを除くととっても息苦しい状況が続いており、
海外で就職しようと考える人たちも増えているらしい。
そんな状況の中で本作は生まれたのだろう。
兵士が登場するいくつかのエピソードが並行して描かれる。
戦前の日本に連れてこられた朝鮮人たち、彼らは日本の軍人となり日本のために戦う。
そして潔く散った後は靖国神社に祀って欲しいと願う。
そんな朝鮮人兵士を日本人兵士が朝鮮人というだけで差別する。
2004年のイラクのファルージャ。
米軍などに食料を納入する仕事をしていた韓国人が反米武装集団(IS国?)に捉えられる。
彼らはその韓国人を捕まえた映像を公開し韓国政府に身代金を要求する。その結果…。
三つ目のエピソードは、2010年朝鮮半島の南北の国境近くの水域を航海していた
大韓民国の哨戒船が沈没し46名の兵士が亡くなった。
なぜ、沈没したのかはいまだ謎に包まれているらしい。
そして最後のエピソードが2015年兵役を勤めている兵士が脱走するという話。
ちなみにこのエピソードのみパクさんの創作である。
彼は軍隊と世の中に絶望している。
この4つのエピソードが細切れに描かれ、並行して進んでいく。
観客はそれを見て韓国の朝鮮半島の持っている歴史的な困難を感じ、
同時に、韓国の兵役をする男性たちのことを思う。
しかし、さらにその奥にあるものが見えてこない。
舞台自身はわかりやすい演出で、翻訳もわかりやすく字幕も読みやすい。
韓国語と日本語には似た言葉がたくさんあるんだな!と思いながら字幕を見た。
リアリズムの奥にあるものをどのように伝えるのか?
がこの舞台で問われてくるのでは?
あるがままの事実を訓練された俳優が美しく演じ動く。
それはそれでいいのだが、さらにその先を見たかった。
俳優の身体感覚には一見の価値が。10月30日まで。


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